孤独死の現場に直面することは、想像以上に心を痛めますね。
もしもの時、どう対処すればいいのか、不安に思っている方も多いでしょう。
この記事では、孤独死が発生した際の葬儀の手順や費用の負担について詳しく解説します。
知らないと損をするかもしれない情報も盛り込んでいますので、ぜひ最後までお読みください。
知りたいことから読む
孤独死って何?孤立死との違いとは
孤独死とは、単独生活者が亡くなってから長時間発見されない状況を指します。
これは孤立死とは異なり、社会的孤立によるものとされています。
日本では高齢者の孤独死が増加傾向にあり、社会問題となっています。
具体的には、亡くなった人が近隣住民や親族に長期間気付かれずにいるケースが多いです。
このような状況を避けるためには、地域コミュニティの強化や定期的な安否確認をしなければなりません。
次に、孤独死が見つかるきっかけについて、見ていきましょう。
孤独死が見つかるきっかけとは?
孤独死が発覚するきっかけは、一般的に下記のようなケースが多いと言われています。
- 臭いで近所の人が気づく
- 家賃や公共料金の滞納で大家や管理会社が訪問する
- 郵便物やチラシが溜まっているのを見て不審に思う
- 死後に家族や友人が連絡を取ろうとして見つける
- 病院や介護サービスなどから定期的に訪問を受けている
しかし、これらのきっかけは必ずしも発生するとは限りません。
もし、近所付き合いが希薄な場合や、家族や友人との連絡が途絶えている場合は、臭いや郵便物なども気づかれにくくなります。
また、家賃や公共料金を自動引き落としにしている場合や、病院や介護サービスを利用していない場合も、滞納や訪問のきっかけがありません。
このように、孤独死はさまざまな要因によって発見される可能性が低くなることもあります。
【関連記事】絶縁状態の親が孤独死してしまった…発見から葬儀までの流れや必要な手続きやを紹介
孤独死の現場を見つけたときにすること
孤独死の現場を見つけたときにすることは、下記のようになります。
- 息があるかわからないときは救急車を呼ぶ
- 明らかに亡くなっているなら警察に連絡する
孤独死の現場に遭遇したら、冷静に対処しましょう。
息があるかわからないときは救急車を呼ぶ
まず、孤独死の現場に遭遇したら、その人がまだ生きている可能性があるかどうかを確認します。
息があるかわからないときは、すぐに救急車を呼びましょう。
救急車を呼ぶ際には、下記の情報を伝えます。
- 住所や場所
- 自分の名前や連絡先
- 現場にいる人の年齢や性別
- 現場にいる人の状態や症状
- 現場にいる人との関係
救急車が到着するまで、現場にいる人に話しかけたり、体温を保ったりするなどして応急処置を行います。
救急隊員が到着したら、現場の状況や自分の行動を説明してください。
救急隊員は現場にいる人の生死を判断し、必要なら搬送します。
明らかに亡くなっているなら警察に連絡する
もしも現場にいる人が明らかに亡くなっていると判断できる場合は、救急車ではなく警察に連絡します。
警察に連絡する際には、救急車と同様に下記の情報を伝えます。
- 住所や場所
- 自分の名前や連絡先
- 現場にいる人の年齢や性別
- 現場にいる人との関係
警察が到着したら、現場の状況や自分の行動を説明してください。
警察は現場にいる人の死因や死亡時刻を調べたり、遺体を検視したりします。
また、遺体の身元確認や遺族への連絡なども協力しましょう。
警察から指示されたら、現場から離れます。
孤独死の発見から葬儀までの流れを紹介
孤独死の発見から葬儀までの流れは、下記のとおりです。
- 遺体の発見後に警察か救急車を呼ぶ
- 警察が現場検証を行う
- 警察から遺族へ連絡が行き身元確認を行う
- 葬儀の準備をする
- 特殊清掃業者を選定して作業を依頼しておく
順番に見ていきましょう。
流れ1.遺体の発見後に警察か救急車を呼ぶ
孤独死を発見した際に最初に行うべきことは、遺体の発見後に警察や救急車を呼びます。
なぜなら、医師による死亡確認を受けることが必要なためです。
亡くなったことが確定した場合でも、死因を明らかにするためには専門的な視点からの検査が求められます。
また、自宅で倒れている人を見つけたとき、心臓停止状態でも適切な処置で生き返るかもしれないと念頭に置き、まずは救急車を呼ぶべきです。
医師が到着して死亡を確認した場合には、次に警察を呼んで死因を調査する方向に進むことになります。
つまり、孤独死を発見した時点で遺体の状況や発見者の判断により救急車か警察を呼びましょう。
流れ2.警察が現場検証を行う
孤独死の現場が確認されると、状況検証のために警察が出動します。
状況検証の目的は、当該者の死因を明らかにするとともに、事件性があるかどうかを確認するためです。
孤独死の場合、自然死または病死が多いですが、中には自殺や他殺の可能性も否定できません。
そのため、状況検証では、警察が遺体の周辺状況や部屋の様子を詳しく調査します。
また、遺体自体の状況も警察医が調査し、死後の時間や死因を精査し、遺体に外傷がないか、異常な薬物や物品が現場にないかも調査の対象です。
このような警察による緻密な現場検証は、孤独死の真相を解明し、遺族への情報提供、そして何より故人の尊厳を保つために必要な作業と言えます。
流れ3.警察から遺族へ連絡が行き身元確認を行う
孤独死が発覚した後は、警察から遺族に連絡が行われます。
その後の申請では遺体の正しい身元確認が不可欠であり、適切な手続きが進められないからです。
まず、警察は現場に到着して死亡を確認し、死因の究明に取り組みます。
孤独死の場合、死因が自然死か、それとも他の原因によるものかを識別することが重要です。
次に、警察は個人の住民票や人口情報システムを利用して故人の身元を特定するなどして、遺体の正しい身元を確認します。
この過程は、故人の身元を確認し、適切な葬儀や埋葬を行うために不可欠です。
身元が判明したら、警察は遺族に連絡を取り、死亡の報告と遺体の引き取りを依頼します。
流れ4.葬儀の準備をする
孤独死が起こった場合、葬儀の準備は避けて通れないステップです。
無縁仏になるようなケースでは、地元の自治体や社会福祉協議会が遺体の収容や葬儀を含む後の手続きを行います。
一方で、遺族が存在する場合にはその責務が遺族に移るというのが通常です。
まずは葬儀の形式や場所、規模などを決定する必要があります。
これは故人の信仰の有無、家族の意向、予算などによって決まる事項で、具体的な計画が必要です。
次に、必要な書類の手続きとともに、葬儀社との契約を行います。
葬儀の日程、料金、サービス内容などを詳細に確認し、必要であれば条件交渉も行いましょう。
なお、孤独死の場合、遺体が損傷していることもあるため、そのまま開棺葬儀を行うことが難しいこともあります。
そういった場合、納棺葬儀や火葬後の分骨葬儀といった形式を選ぶことも考えましょう。
流れ5.特殊清掃業者を選定して作業を依頼しておく
孤独死が起こった現場では、ほぼ必ずと言っていいほど特殊清掃が必要になります。
そのため、事前に特殊清掃業者を選定しておく必要があります。
専門的な技術や知識を持っており、感染症のリスクを最小限に抑えつつ、遺体の処理や汚れたものの取り扱いを行えるからです。
たとえば、ある特殊清掃業者は、孤独死現場での作業を行う際には、下記のような手順を踏んでいます。
- 遺体があった場所の周囲を念入りに除菌処理
- 次に体液による汚れを除去
- 現場全体の清掃と消臭作業
- 適切な処理がなされた後で初めて家財の搬出
これらの作業を行うことで、現場は再び適切な衛生状態に戻され、人が生活できる状態にまで持ち直すことが可能になります。
したがって、孤独死の発生を防ぐためには、専門的な清掃業者の選定と依頼が不可欠です。
流れ6.遺体を引き取って葬儀を行う
孤独死を知った遺族の心情は、後悔や悲しみ、困惑など複雑です。
しかし、最終的には故人を偲び、故人のために何ができるかを考えながら、適切な葬儀を行うことが求められます。
具体的には、葬儀社に依頼して、四十九日や一周忌などの法要を行うことが必要です。
葬儀は故人に対する敬意を表すと同時に、遺族や親族が一堂に会し、故人を偲ぶ大切な機会となります。
このように、孤独死における遺体の引き取りや葬儀の手配は、一連の手続きの中で最も重要であり、遺族の心情を最も考慮するべき段階です。
孤独死の葬儀にかかる費用は誰が負担する?
孤独死の葬儀にかかる費用について、下記の2つにわけて解説します。
- 遺族がいる場合
- 遺族がいない場合
それぞれ、参考にしてください。
遺族がいる場合
遺族がいる場合は、葬儀費用を支払う義務がありますが、遺産放棄をすることで免れることが可能です。
法律的には、遺族は故人の遺産を相続すると同時に、その債務も引き継ぐことになります。
したがって、孤独死の葬儀にかかる費用を支払う義務があるのは遺族です。
ただし、遺産放棄をすることで、遺産だけでなく葬儀費用も放棄できます。
遺産放棄をする場合は、死亡から3か月以内に家庭裁判所に届け出てください。
遺族がいない場合
遺族がいない場合は、自治体が葬儀費用を回収するか自己負担することになります。
法的には、葬儀の執行義務があるのはり故人の最も近い親族です。
しかし、親族がいない場合や連絡が取れない場合は、故人の住んでいた自治体が公衆衛生上の理由から葬儀を執り行うことになります。
この場合、自治体は故人の遺産から葬儀費用を回収しますが、遺産がない場合や不足する場合は、自治体が差額を負担する決まりです。
孤独死の発生時に葬儀以外にやるべきことについて
次は、孤独死が発生した際に葬儀の準備以外に必要な手続きや対応について解説します。
この情報を知らなければ、重要な手続きの遅延や、故人の資産管理に関する問題が生じる可能性があります。
具体的に紹介する内容は以下の通りです。
- 遺品整理
- 公共サービス解約などの手続き
1つずつ見ていきましょう。
やるべきこと1.遺品整理
遺品整理は故人の思い出を大切にしながら行いましょう。
理由としては、遺品には故人の生活や人となりが反映されているため、故人を偲びながら次のステップに進む重要なプロセスだからです。
具体例としては、遺品整理専門業者に依頼して故人の遺品を丁寧に分類し、大切なものは遺族に、不要なものは適切に処分する方法があります。
このような業者を利用することで、遺族が抱える負担を軽減し、故人への敬意を保ちながら整理を進めることができます。
遺品整理に関する相談や依頼は、経験豊富な専門業者に相談してみるのがおすすめです。
やるべきこと2.公共サービス解約などの手続き
公共サービスの解約や手続きは、故人の財産やプライバシーを守るために必要です。
これは、未解約のサービスが継続して料金が発生する可能性を避け、故人の名誉や遺族の経済的負担を軽減するためです。
例えば、電気やガス、水道などのライフラインの解約、インターネットや携帯電話契約の解除などがあります。
これらの手続きを行うことで、不要な費用が発生するのを防ぎ、スムーズに遺産整理を進めることができます。
手続きの方法に不安がある場合は、各サービス提供会社に問い合わせるか、専門家に相談することがオファーされています。
身寄りがいない人が孤独死を避けるために生前にしておくことは?
この見出しでは、身寄りがいない人が生前に準備すべきことについて説明します。
この内容を知っていれば、万が一の事態に備えて適切な対策を講じることができます。
また、自分自身の望む通りの手配が可能になります。
紹介する内容は以下の通りです。
- 周囲の人とコミュニケーションとをっておく
- 病気の場合は訪問系のサービスを利用しておく
- 葬儀や特殊清掃、遺品整理の手筈を整えておく
1つずつ、見ていきましょう。
(1)周囲の人とコミュニケーションとをっておく
周囲の人とのコミュニケーションは、孤独死を防ぐために非常に重要です。
これは、地域社会や近隣住民との関わりが孤独感を減少させ、互いの安全を確認し合う機会を提供するためです。
具体例としては、地域のイベントへの参加や、日常的に近隣住民との会話を心がけることが挙げられます。
このような小さな一歩が、孤独を減らし、互いに支え合う社会を作ることに繋がるのです。
(2)病気の場合は訪問系のサービスを利用しておく
病気の際には、訪問系のサービスの利用が孤独死の防止に役立ちます。
理由として、定期的な訪問サービスは、健康状態の監視と緊急時の対応を提供するため重要だからです。
具体的には、訪問介護員が定期的に訪れ、健康状態のチェックや日常生活のサポートを行うなどです。
これにより、病気であっても安心して生活でき、万が一の事態が発生した際には迅速な対応が可能になります。
(3)葬儀や特殊清掃、遺品整理の手筈を整えておく
葬儀、特殊清掃、遺品整理の準備をしておくことは、将来の孤独死に備える上で重要と言えます。
これは、事前の計画が遺族に負担をかけず、スムーズな手続きを可能にするためです。
具体的には、葬儀の種類や費用、特殊清掃業者の選定、遺品整理の方法などを予め決めておきましょう。
これにより、万が一の時にも迅速かつ円滑に対応でき、遺族の負担を最小限に抑えることができます。
【関連記事】【手引】親族の孤独死と遺品整理|知らぬ間に進行する法的なリスク
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まとめ
孤独死が発生した際の葬儀準備は、迅速かつ慎重に進めることが重要です。
遺体発見後、警察や救急車を呼び、警察の指示に従いながら遺体の取り扱いや葬儀の手配を行います。
特に、特殊清掃業者の選定は重要で、衛生的かつ尊厳を保つために必要です。
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