「夜逃げをして現実から逃れたい」って思っていませんか?
今の生活から離れれば新たな人生が歩めるかもしれません。
しかし、夜逃げをしても根本的な解決にはならないのです。
本記事では、夜逃げをした後に起きる問題についてくまなくご紹介。
夜逃げという形を取らずに根本原因を解決に導く、最適な回避方法を徹底解説いたします。
1.夜逃げしたい原因とは?
「夜逃げ」とは、夜中にこっそり逃げ出してほかの所へ移るという意味です。
夜逃げをしてでも逃げたくなる、よくある原因は以下の通り。
- 借金
- 会社倒産
- ストーカー
- DV
- 駆け落ち
大きく分けて「金銭的な理由」と「暴力や精神的苦痛が理由」の2パターンがあり、最も多い理由が「借金苦による夜逃げ」です。
闇金融からの執拗な取り立て、会社倒産による周囲からのバッシングなどがあれば「逃げたい」と思うのは当然かもしれません。
しかし、夜逃げを決行する前に、根本的な原因を解決させる方法について1度考えるべきです。
2.夜逃げが失敗に終わりやすい理由2つ
「夜逃げ」は基本的にほぼ失敗に終わります。
ドラマのワンシーンのように、必要最小限の持ち物だけ持って行方をくらまそうと考えるのはやめるべき。
そのような夜逃げ計画をしても、ほぼ失敗に終わると思いましょう。
その理由は、大きく分けて次の2つの通りです。
- 情報が漏れる
- 住民票で見つかる
以下では、夜逃げが失敗する理由について解説していきます。
理由1.情報が漏れる
夜逃げがする理由の1つが「情報が漏れる」からです。
まず夜逃げをする人というのは、もともと周囲から注目されている人物です。
お金を貸した債権者や、住居を提供した大家さん、友人や家族など、人は普通に生きていれば多くの人と関わって生きています。
そのため、夜逃げをしても周囲の人が情報を漏らしてしまうことはよくあります。
夜逃げ屋と債権者が組んでいることもまれにありますが、家族や友人が口を滑らせて情報漏えいする可能性の方が高いです。
情報が漏れるとあとは取り立てられるだけ、確実に見つかってしまいます。
理由2.住民票で見つかる
移住先に住民票を移せばすぐに見つかってしまいます。
そのため、夜逃げをした人は住民票を移すことができません。
住民票を移さないことで起こる問題は予想以上に大きいです。
詳しくは次の章で紹介して生きますね。
3.夜逃げをしたその後に起こる問題7つ
夜逃げをすることで、目の前の苦しい問題から離れることができます。
しかし、その後の生活で起こる様々な問題から目を逸らすことはできません。
「夜逃げは一時的な逃避にしかならない」と思わざるを得ない、具体的な問題について以下にまとめました。
- 住民票を取得できない
- 生活苦になる
- 携帯が使えない
- クレジットカードが使えなくなる
- 精神的な苦痛がある
- 友人や親戚に迷惑をかける
- 就労に制限が出る
順番に詳しく見ていきましょう。
問題1.住民票を取得できない
住民票こそ失踪した人の手がかりとなるため、新たな取得はできなくなります。
住所不特定のままでは信用することができないので、賃貸契約を結ぶことは難しいです。
これに伴い、国民健康保険や国民年金への加入もできません。
体調が悪くても病院へ行けば全額実費払いとなり、もし子供を出産したときは出生届も出せなくなります。
問題2.生活苦になる
十分な資金を用意して夜逃げをする人はほとんどいません。
借金苦から夜逃げする人は、その後の生活も苦しいままです。
まず、借金に苦しんでいた人には貯えがないため、すぐに手持ちのお金がなくなります。
食べることもできず、寝泊りする家を持つ事もできないまま、挙句の果てにはホームレスになる可能性も。
風邪を引いても薬を買ったり病院へ行けないため、重症化させてしまい苦しむことも考えられます。
夜逃げをしても後々は必ず苦しむことになるのです。
問題3.携帯が使えない
夜逃げをすると携帯が使えなくなります。
携帯のGPSから追跡される可能性があるためです。
また、賃貸物件が借りれずになるため、携帯電話の契約もできません。
重要な連絡があっても伝えることができず、連絡を受けることもできない生活が続いてしまいます。
連絡手段がなくなるのは大きなデメリットです。
問題4.クレジットカードが使えなくなる
夜逃げをするとクレジットカードが使えなくなります。
返済の滞納によって信用情報に事故情報が残ってしまうからです。
そのため、カードローンでお金を借りることもできません。
1度残ってしまった事故情報は約5年は消えないので大きな買い物もしづらく、かなり不便な生活を強いられます。
問題5.精神的な苦痛がある
夜逃げをした人が最も苦しむのが、「見つかるのではないか」という恐怖心です。
執拗な取り立てに再び追われる緊迫感、しつこく追ってくるストーカーに「再び発見されるのではないか」という根本的な問題にいつまでも苦しむことになります。
子供を抱えて夜逃げをした人なら、まともな教育や病気への対処が受けられなくなることも。
普通の生活が送れない苦しさに耐えきれず、結局戻ってくる人の方が多いです。
問題6.友人や親戚に迷惑をかける
突然行方不明になってしまうことで周りに大きな心配と迷惑をかけてしまいます。
急に連絡がつかなくなると、家族や友人、仕事先の人は「事件に巻き込まれたのでは?」と不安になるのも当然です。
また、家を借りていた場合は家賃滞納扱いになり、連帯保証人に返済の義務が発生してしまいます。
家族や友人に迷惑をかける前に、夜逃げしなくてすむよう対策を始めましょう。
問題7.就労に制限が出る
もし面接先で身分証の提示を求められたとき、現住所とかけ離れている場合は少なからず怪しまれてしまいます。
そのため、身分証の提示をしなくて済む勤務先をしか選べなくなります。
夜逃げをした人が十分な収入を得ることは、まず厳しいと考えてください。
就職できたとしてもバイト先などで顔見知りが増えていく分、バレる不安も積もっていくでしょう。
仕事先を転々とせざるを得なくなる可能性も高くなります。
4.夜逃げで失踪した人を追跡する3つの方法
ここからは友人や家族に夜逃げをされたらどうするべきか、について解説していきます。
夜逃げをしようとしている人は、逃げても次のように追跡されてしまうことを知りましょう。
失踪した人を探し出すためには、次の3つの方法で行います。
- 自分で追跡する
- 住民票を調べる
- 探偵に依頼する
方法1.自分で追跡する
失踪者が家族だった場合は、まずは「捜索願」を警察に届けます。
親族でない限り警察は受理せず「夜逃げは犯罪行為ではない」として相手にしてくれないので注意してください。
その次にできることは、「周囲への聞き込み」と「SNSの利用」です。
ですが、安易に「探しています」とSNSに顔写真付きで投稿をすることは絶対にやめましょう。
デマ情報に惑わされる可能性が高く、もし闇金融から借金していた場合は自分が巻き込まれる可能性もゼロではありません。
SNS以外の方法として「人探しサイト」の利用もおすすめします。
「人探しサイト」を使う場合は、以下の2サイトをご利用ください。
方法2.住民票を調べる
もし住民票を移していればすぐに居所が掴めるので、真っ先に調べましょう。
家族や親族なら身分証を提示することで取得できます。
第三者が取得したい場合は、「債権回収」や「相続関係の件」という理由があれば発行が認められます。
方法3.探偵に依頼する
自力で探し出すよりも、探偵に依頼した方が手間と時間を大幅に省くことができます。
探偵は人探しのプロですから、素人にはできない手段を行使してくれます。
依頼費用の相場は50万円~と言われていますが、探偵事務所によって料金体系に差があるので一概には言えません。
事前によく確認をしてから相談することをおすすめします。
5.【原因別】夜逃げをしなくてもよくなる方法4つ
夜逃げをして、その場から逃げても根本的には解決しません。
ここでは、原因別で夜逃げを回避するための方法を解説します。
- 借金
- 会社倒産
- DV・ストーカー
- 駆け落ち
夜逃げをしないようにするために、きちんと対策を打てるようにしましょう。
原因1.借金
借金こそ逃げたくなりますが、夜逃げをしても解決しません。
消費者金融やクレジットカード、闇金や知人への借金返済が積もってしまうと苦しいのは理解できます。
しかし、何とか払う糸口を探してください。
借金が返せなくなった時は「債務整理」を行うのが一般的です。
司法書士や弁護士に依頼したのち、借入内容に合わせた次の4つの法的手段で払い過ぎた利息や借金自体の減額交渉を行います。
過払い金請求 | 借入期間が5年以上、金利18%以上で支払った金利を取り戻す。 |
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任意整理 | 債権者に対して利息・遅延損害金の免除の交渉を行う。 |
個人再生 | 債務総額5千万以下、裁判所を通じて5分の1以下に減額する。 |
自己破産 | 高額債務者、3年以内で完済できない人。 |
消費者金融やクレジットカードへの返済困難な場合は「過払い金請求」が行われます。
もし借入先が闇金融であっても専門家へ相談を。どうすべきなのかサポートを受けてください。
その後もし取り立て被害に遭った場合は一度警察に連絡を行い、「避難」という形で家を離れることも視野にいれておきます。
夜逃げという形を取らないことを前提とし、専門家の知識を借りて対処を行うことが重要です。
原因2.会社倒産
経営が失敗してしまい、会社の存続が難しくなった場合も専門家に相談しながら手続きを行っていきます。
「一家で夜逃げしなければならない」などと考えないでください。
債権者や従業員からのバッシングに大きな不安を抱えてしまうケースが多いですが、夜逃げをせず誠実な対応をすることが大切です。
経営困難に陥ったときに行える手続きは次の3つです。
破産 | 会社を解散し、精算を行う。 |
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民事再生手続き | 返済の一時停止や免除を裁判所にて行う。 |
任意整理手続き | 司法書士が債権者へ利息免除や長期分割払いへの交渉を行う。 |
従業員には「会社倒産」という迷惑をかけてしまいますが、避けられない事態だったのですから理解してもらいましょう。
原因3.DV・ストーカー
金銭的事情と全く違うのが、恋人や配偶者からのDVやストーカー問題です。
被害者が増加したためそれぞれ法律が作られましたが、実際には報復が怖くて警察に連絡できず耐えてしまう人がたくさんいます。
そこで「夜逃げ屋」などに依頼をして夜逃げを決行させる人も中にはいますが、根本的な解決に向かうことは難しいです。
まずできることは、DVの場合は相談ナビへ、ストーカーは警察へ相談することです。
夜逃げを考える前にぜひ、それぞれの相談先を確認してください。
(1)DV
恋人や配偶者、家族からのDV(暴力)には、複数の解決方法があります。
身内からのDVは心の傷が残ることも多く、とても辛い思いをしているでしょう。
状況に応じて以下の相談窓口からカウンセリング、安全確保やサポートを行います。
身の危険がある人には「シェルター」という施設が用意されているので、とにかく電話をかけることが大切です。
DVを受けている証拠があれば、警察も対応してくれます。
外部の人間に頼るのは怖いと思いますが、思い切って行動してみましょう。
(2)ストーカー
元恋人や元配偶者、全く見ず知らずの人からストーカー行為に遭っている場合も。
専門機関に相談をすることが重要です。
「後を付けられている」、「見張られていると」いう理由で警察を頼ることも可能です。
ひとりで悩むことなく電話をしましょう。
原因4.駆け落ち
駆け落ちをする理由は主にこの2つ。
「親が結婚を許してくれない」「不倫相手と逃げたい」という、周囲から認めてもらうことが難しい2人が駆け落ちすることが多いです。
駆け落ちをすることで、ある意味では2人の真剣度を周囲に示せるかもしれません。
現実は、駆け落ちによって両親と絶縁状態に陥ったり、配偶者から高額な慰謝料を請求される可能性の方が高いでしょう。
逃げるように出て行くことに成功したとしても、その後の生活は厳しい状況が続きます。
そんな生活に疲れてしまい、結局別れてしまうパターンの方が多いです。
やはり、ちゃんと認めてもらうためには夜逃げ以外の形を取るべきあり、話し合いから逃げてはいけません。
夜逃げする前に専門機関に相談を!
結論として、夜逃げはすべきではありません。
「逃げるしかない」と思い込まず、専門家に相談することが大切です。
DVやストーカーに悩む人は、身の危険を守るためにもいち早く相談をしてください。
いずれも「ひとりで悩まない」ことです。
第三者のアドバイスを聞いて、自分は今何を行動すべきなのかを考えましょう。