「古家付き土地って売却できるの?」
「どうすれば土地の売却を成功させられるの?」
などと古家付き土地の売却についてお調べですね。
結論から言うと、古家付き土地は売却可能です。
しかし、買い手が見つかりにくいといったデメリットもあります。
本記事では、古家付き土地の売却について、どうすれば売却できるか徹底解説!
古家付き土地を売るなら、知っておかないと損することばかりです。
本記事を役立て、売れにくいと言われる古家付き土地の売却を成功させましょう。
1.売却できる!古家付き土地が売却できる2つの理由
古家付き土地は、「売れにくい」と言われています。
なぜなら、古家付きだと解体費用がかかるからです。
土地を購入したい人は、新築を建てたり投資用として駐車場を作ったりするために土地を探しています。
居住用に土地を探さない人が多いため、更地の方が人気があるのです。
しかし、古家付き土地が売れないわけではありません。
次の2つの理由から、古家付き土地でも売ることができます。
- 更地より固定資産税が安い
- 買い手が住宅ローンを組みやすい
2つの理由を詳しく説明します。
理由1.更地より固定資産税が安い
古家付き土地だと、更地よりも固定資産税が安くなります。
なぜなら、家が建っている土地は固定資産税の減税措置を受けられるからです。
土地を売却すると、売却した年にかかった固定資産税を所有期間で割って買い手に請求できます。
固定資産税が安いと、買い手は資金面でお得なのです。
また、売り手にとっても、売却までの維持費を抑えられます。
このように固定資産税が更地より安いということは、古家付き土地が売れる理由の1つです。
理由2.買い手が住宅ローンを組みやすい
買い手は住宅ローンを組みやすいことが、更地に比べて古家付き土地が売れるポイントです。
住宅ローンは、家を購入する際にしか利用できません。
更地を購入する場合、住宅ローンを利用できず、融資手続きが難しいです。
さらに土地購入のための融資は、住宅ローンより金利が高くなり、買い手にとってデメリットとなります。
しかし、古家付きなら住宅を購入とみなされるため、住宅ローンを利用できます。
買い手にとって住宅ローンを利用できることは、非常に魅力的なことなのです。
このことから、古家付き土地でも売却できる理由となります。
2.古家付き土地を売却する2つのリスク
買い手にメリットがあるため、購入資金を抑えたいという買い手になら古家付き土地は売却できます。
しかし、古家付き土地は売却するリスクがあるのです。
リスクを知らないと、古家付き土地をいつまでも売却できず、維持費ばかりかかります。
古家付き土地を売却するリスクは、次の2つです。
- 売却価格が安くなる可能性がある
- 買い手が見つからない可能性がある
どのようなリスクか順番に確認しましょう。
リスク1.売却価格が安くなる可能性がある
古家付き土地だと、更地より売却価格が安くなる可能性があります。
なぜなら、更地にするための解体費用を、売却費用から値引きすることがあるからです。
古家付き土地なら、売り手は解体費用を支払ずに済みます。
しかし、更地を希望する買い手だと、買い手が解体費用を負担するため、解体費用分を値引きせざるを得ないのです。
土地の広さや古家の大きさにもよりますが、解体費用より高い価格を売却価格から引かなければならない場合もあります。
「古家付き土地で売るか、更地で売るか」で迷っているなら、解体費用を見積もってから検討しましょう。
リスク2.買い手が見つからない可能性がある
古家付き土地だと、買い手が見つからない可能性があります。
特に、あまりに築年数の経った家や立地が悪いと、買い手は見つかりにくいです。
ただでさえ、古家付き土地は更地に比べ購入希望者が多くありません。
家や土地の状態、立地など土地の条件が悪いと、何年も売却できないことがあります。
古家付き土地がいつまでも売れないなら、売却価格を下げたり、更地にして売ったりする対処が必要です。
古家付き土地の売却には、このようなリスクがあることを覚えておきましょう。
3.古家付き土地を売却するときの4つの事前準備
買い手が見つからないリスクもある古家付き土地ですが、早く売却するためには準備が大切です。
「どんな準備をしたら良いの?」と言う人は、次の4つを行いましょう。
- 相場価格をチェックする
- 売却したい土地について知る
- 古家の状態・設備を確認する
- 売却に必要な書類を揃える
具体的にどのようなことをすべきか、順に見ていきましょう。
準備1.相場価格をチェックする
まずは、相場価格をチェックしましょう。
なぜなら、相場価格を知れば、適正な売却価格を理解できるからです。
さらに、不動産会社の出す査定額が適正かどうかも判断できます。
古家付き土地の相場は、次の4つを確認しましょう。
価格 | 内容 | 確認できるもの・サイト |
固定資産税評価額 (固定資産税路線価) |
固定資産税の算出のために、各市町村が発表している価格 | 固定資産税納税通知書 |
相場価格 | 不動産の需要と供給から割り出される取引に適した価格 | SUUMOやホームズといった不動産情報サイト |
公示価格 | 国土交通省が発表している価格 | 国土交通省が提供する土地総合情報システムの地価公示・都道府県地価 |
過去の取引価格 | 実際に取引された価格 | 国土交通省が提供する土地総合情報システムの不動産取引価格情報 |
このような情報から相場を確認し、適正な売却価格で売り出しましょう。
準備2.売却したい土地について知る
土地を売るなら、土地について知りましょう。
土地売却では、主に次のことを確認します。
- 境界が明確か
- 地盤に問題はないか
- 土壌汚染はないか
- 用途が限定されていないか
- 接道義務は満たしているか
特に、土地売却では土地の境界がはっきりしているか確認してください。
境界が明確でないのに売却しようとすると、隣人とトラブルとなり売却できなくなる可能性があります。
土地の売却は、あらかじめ隣人に話して境界について認識を一致させておきましょう。
土地境界のチェック方法
土地の境界は、次の3つを確認しましょう。
- 境界杭の位置
- 登記簿
- 地積測量図
いずれか一つでも欠けていると、隣人とトラブルになる可能性があります。
欠けているものがあるなら、測量士など専門家に依頼して境界をはっきりさせましょう。
再建築不可だと売れにくさ倍増!
古家付き土地の場合、土地が再建築不可物件か必ず確認しましょう。
再建築不可物件とは、家を解体すると新しい家を建てられない土地のことです。
主に接道義務に違反しているため、再建築不可となります。
再建築不可物件だと、建て替えや増改築ができません。
そうとは知らずに売れないから解体してしまうと、土地の活用手段が少なくなり買い手の幅が狭まります。
再建築不可物件かどうか知りたいなら、役所で調べてもらうことです。
専門的な知識も必要なため、できれば建築士といった専門家に付いてきてもらいましょう。
再建築不可物件の売却や接道義務については、「再建築不可物件の売却を分かりやすく解説!高く売買する方法を知ろう」で詳しく説明しています。
準備3.古家の状態・設備を確認する
古家付き土地は、家の状態や設備もチェックしなければなりません。
なぜなら、売却後に契約書に記載していない家の欠陥が見つかると、契約不適合責任を負わなければならないからです。
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない内容の問題が見つかった場合、売り手が責任を負うことを規定した法律を言います。
契約不適合責任が適用されると、損害賠償の支払いや売買契約の解除を請求されるのです。
そのため、売却前に次のようなことをチェックしましょう。
- 雨漏りやシロアリといった家の問題はないか
- 屋根や外壁、内壁にひびや破損がないか
- 水回りなど設備は壊れていないか
自分で確認しきれないなら、インスペクション(住宅診断)を活用し、プロに家の状態をチェックしてもらいましょう。
準備4.売却に必要な書類を揃える
土地売却に必要な書類を揃えておくと、スムーズに売却できます。
土地の売却で主に必要な書類は、次の9つです。
No. | 書類 | 内容 |
1 | 登記簿謄本 または 登記事項証明書 |
不動産の詳しい登記事項を記載した書類 |
2 | 登記済権利証 または 登記識別情報 |
不動産の登記名義人を記載した書類 |
3 | 固定資産税納税通知書 または 固定資産税評価証明書 |
不動産の名義人、固定資産税の金額、物件の評価額などを証明する書類 |
4 | 印鑑登録証明書 | 実印が登録している実印かを証明する書類 |
5 | 本人確認書類 | 不動産の所有者が本人であることを証明する書類 |
6 | 不動産の図面 | 間取りや設備状況を記載した書類 |
7 | 建築確認済証 または 検査済証 |
建築基準法に適合した建築物であるかを証明する書類 |
8 | 境界確認書 | 土地の境界線を記載した書類 |
9 | 地積測量図 | 土地の形状や面積を記載した書類 |
取得に時間がかかるものもあるため、事前に準備しましょう。
土地売却の書類については、「【要確認!】不動産売買の必要書類を売買の流れに沿って解説」で詳しく説明しています。
相続した土地は相続登記しておくこと!
相続した土地を売却したい場合、相続登記をしておかなければなりません。
相続登記とは、不動産を相続したときに行う不動産の名義変更のことです。
名義変更をしていないと、いざ売却する際に手続きが余計に増えてしまいます。
そのため相続した土地を売りたいなら、事前に相続登記しておきましょう。
相続した土地については、「「相続した土地をすぐに売却したい!」早く・高く土地を売るための3STEPと賢い節税」も参考にしてください。
4.知っておこう!土地を売却するときの流れ
続いて、土地の売却の流れを確認しましょう。
売却の流れを知っていれば、売却時に次に何をすれば良いか分かり、円滑に売買を行えます。
土地売却は、次の5ステップで完了です。
- 土地の査定を依頼する
- 不動産会社と契約する
- 買い手を探す
- 買い手と売買契約を結ぶ
- 土地を引き渡す
土地売却の流れを順に見ていきましょう。
STEP1.土地の査定を依頼する
売却したい土地を理解したら、査定を不動産会社に依頼しましょう。
複数の不動産会社に査定依頼し、土地の売却を成功させてくれる不動産会社を見つけてください。
次の条件を満たす不動産会社なら、安心して売却を任せられます。
- 査定額に根拠があり、相場とかけ離れていない
- 丁寧に査定結果を説明してくれる
- 強引な勧誘や営業をしてこない
- 土地売却の実績がある
土地売却を成功させるためにも、不動産会社選びは妥協せず、このような条件に当てはまる不動産会社に売却を依頼しましょう。
STEP2.不動産会社と契約する
不動産会社を選べたら、不動産会社との契約です。
不動産会社との契約形態は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属媒介契約の3つがあります。
それぞれの契約形態がどのような特徴で、どおのような人に向いているか、以下の表を参考にしてください。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
契約の有効期限 | 自由 | 最大3ヶ月 | 最大3ヶ月 |
自己発見取引 (買い手や売り手を自分で見つける取引) |
〇 | 〇 | × |
他社への依頼 | 〇 | × | × |
メリット | 幅広く買い手を探してもらえる |
・他の不動産会社に顧客を取られないため、じっくり買い手を探してくれる ・定期的に報告義務があるため、連絡しやすい |
|
デメリット | ・成約を取りたいばかりに、適当な買い手を紹介される可能性がある ・複数社に依頼できるため、積極的に売却活動をしてくれない可能性がある |
・契約期間中は他の不動産会社に依頼できない ・担当者によっては、積極的に売却活動をしてもらえないまま時間が過ぎる |
|
向いている人 | 複数社に依頼し、より良い買い手を見つけたい人 | 1社に依頼し、確実に売却したい人 |
自分の状況とニーズに合った契約形態を選びましょう。
不動産会社と契約をしたら、続いて買い手を探します。
STEP3.買い手を探す
買い手探しは、不動産会社が行ってくれます。
ただし、一般媒介契約か専任媒介契約を結んでいたら、自分でも買い手を探すことが可能です。
買い手を自分で探すなら、まず土地の隣人に打診してみましょう。
なぜなら、隣人は自分の土地の拡大ができるというメリットがあるため、土地を購入してくれる可能性があるからです。
買い手が見つかったら、買い手と売買契約を結びましょう。
STEP4.買い手と売買契約を結ぶ
買い手と売却条件を話し合い、双方納得したら売買契約を結びます。
売買契約書の記載事項は、主に次のようなことです。
- 売却価格
- 手付金
- 精算方法
- 税金の負担割合
- 引き渡し時期
- 土地の境界
- 家や土地の状態・毀損
- 設備の状態
- 契約違反による契約解除と違約金
契約書の中で分からないことがあれば、不動産会社の担当者に訊くと教えてくれます。
契約後の変更はできないため、契約内容はしっかり確認しましょう。
STEP5.土地を引き渡す
買い手と売買契約を締結したら、契約書に記載した引き渡し日に土地を引き渡します。
引き渡しまでに土地の所有権移転登記の準備を行いましょう。
必要な書類を揃えておかなければ、引き渡し日に登記できません。
引き渡し日が来たら、土地の測量図や境界確認書などの書類一式、家の鍵を買い手に渡します。
そして買い手から売却代金を受け取り、仲介手数料などを支払えば売却完了です。
5.土地売却が得意な不動産会社に相談しよう
土地の売却をスムーズに行うためには、土地売却が得意な不動産会社に依頼しましょう。
土地の売買は個人間でも行えますが、不動産会社に依頼した方がトラブルもありません。
「でも、どうやって土地売却が得意な不動産会社を見つけたら良いの?」と疑問に思う人も多いはずです。
一括査定サイトを活用すると、複数の不動産会社を簡単に見つけられます。
不動産会社を1軒ずつ回って査定を依頼すると、時間も労力も必要です。
一括査定サイトなら、家に居ながら複数の査定結果を比較、検討できます。
一括査定サイトはたくさんありますが、次の2つのサイトがおすすめです。
- イエウール
- HOME4U
2つのサイトを併用すれば、より多くの不動産会社を見つけられます。
多くの不動産会社に査定依頼して、一番信頼できる不動産会社に土地売却を相談しましょう。
サイト1.イエウール
イエウールは、全国1,600社の不動産会社と提携している不動産一括査定サイトです。
全国の地域密着の不動産会社と提携していて、地方の土地でも必ず売却依頼できる不動産会社を見つけられます。
大手の不動産会社とも提携していて、最大6社に査定依頼できるのです。
さらに、クレームの多い不動産会社とは提携解除しているため、優良な不動産会社しか登録していません。
「一括査定を使って、悪徳業者に当たったら嫌だな」という人でも、安心して利用できます。
そのため土地を売却したいなら、イエウールを活用して不動産会社を見つけましょう。
イエウールについてもっと知りたいなら、「イエウールが1,000万人に利用される3つの理由とは?査定前に知っておくべき全知識」を参考にしてください。
サイト2.HOME4U
HOME4Uは、厳選された全国1,500社の不動産会社と提携している不動産一括査定サイトです。
累計40万件以上の査定をしているため、「実績のある一括査定を使いたい」という人におすすめ。
また、HOME4Uでは土地活用プランを一括請求できるサービスもあります。
売却だけでなく、活用プランも知りたいなら、HOME4Uの土地活用を利用しましょう。
あなたの土地に合ったプランを複数提案してくれます。
土地の売却や活用を任せる不動産会社は、HOME4Uを利用して効率よく見つけましょう。
HOME4Uについて詳しく知りたいなら、「一括査定をするならhome4uがおすすめ!home4uの強みと利用前に知っておきたい注意点」でさらに詳しく確認できます。
他にも不動産一括査定サイトを知りたい人は、「【絶対に迷わない】本当におすすめの不動産一括査定サイトはコレだけ!」を参考にしてください。
6.土地売却の主に必要な費用と税金
最後に、土地の売却費用を簡単に確認しましょう。
土地の売却でかかる費用は、売却価格の5%程度です。
たとえば、土地を2,000万円で売ると、100万円ほどの費用がかかります。
さらに土地の売却で利益が出たら、多額の税金を納めなければなりません。
土地の売却で必要な費用と税金は、主に次の通りです。
費用・税金 | 内容 | 目安 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 | 売却価格の約3.6% |
司法書士への報酬 | 登記など司法書士に依頼した場合に支払う報酬 | 1万円~5万円 |
測量費用 | 土地の測量のための費用 | 30円~80万円 |
解体費用 | 古家を解体するための費用 | 4万円~8万円/1坪 |
その他の費用 | ハウスクリーニングといった物件をより売れやすくするために必要な費用 | 数万円~ |
印紙税 | 行政の手続きにかかる税金 | 1,000円~6万円 |
登録免許税 | 登記手続き時に納付する税金 | 評価額の2% |
所得税・住民税 (譲渡所得税) |
売却益が出た場合に所得税と住民税を納付する | 売却益の 約20%~40% |
どのように土地を売るかによって、必要な費用は変わります。
たとえば、古家付きのまま土地を売るなら、解体費用は必要ありませんが、ハウスクリーニングといった費用が必要となる場合があるのです。
まずは土地と家の状態を確認し、どのように売却したら一番良いか判断しましょう。
売却費用については、「不動産売却にかかる費用と税金を世界一分かりやすく解説」でさらに詳しく解説しています。
【補足】土地売却で消費税はかからない
土地の売却で「消費税ってかかるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
土地売却で、土地に消費税はかかりません。
なぜなら、土地は資本で「消費されるもの」ではないからです。
土地の売却で消費税は、次の費用にかかります。
- 仲介手数料
- 司法書士など専門家への報酬
- 解体費用
- リフォームやハウスクリーニング費用
消費税は、不動産会社や解体業者など事業者が計算して請求してくれます。
そのため自分で計算することはないため、あまり気にせず売却を進めましょう。
まとめ
古家付き土地は、売却することができます。
なぜなら、買い手に次のようなメリットがあるからです。
- 更地より固定資産税が安い
- 住宅ローンを組みやすい
古家付き土地を売るなら、土地売却が得意な不動産会社を見つけることが売却成功への近道です。
不動産会社は一括査定サイトを活用すると、手軽に複数社見つけられます。
査定結果を比較し、信頼できる不動産会社と一緒に土地の売却を成功させましょう。