「もうアイツとなんか住めない!でも新築で家を購入し、建てたばっかりだけど、どうしよう..。」
新築で家を建て始めたタイミングで夫婦の仲が悪くなり、離婚に至る”新築離婚”のケースは少なくありません。
そんな時に問題になるのは、家の住宅ローンのこと。どっちが住み続けて、どっちが住宅ローンを払うのかはかなり揉めます。
せっかく離婚して再スタートするのに、独身に戻っても住宅ローン明細とにらめっこをする人生なんて絶対に避けたいですよね。
そうならないように今回は、新築離婚で残った家をどうすれば良いのか、3人の女性の事例を見ながら解説していきます。
新築離婚で後悔しないように、新たな人生の準備を行いましょう!
1.新築離婚の3つの事例
新築離婚で残った住宅ローンはどうすべきか?新築離婚を考えたときに一番の問題になる部分です。
実際にとれる選択肢は何があるのか、住宅ローンは夫名義で妻が連帯保証人の場合の3つの事例をもとに解決策を見ていきましょう。
(1)Aさん(31)専業主婦の場合
3000万円で新築を購入し、ローンの頭金として2人でお金を出し合って500万円を支払いました。
しかし、新築の計画段階から喧嘩が増え、離婚することに。
夫との話し合いの結果、私は実家へ戻り、夫が家にそのまま住み続けることになりました。
住宅ローンはどうしたか?
住宅ローンは夫名義だったので、そのまま夫が返済していくことになりました。
今後金融機関に、連帯保証人を外してもらうようにかけあってみるつもりです。
新しい職を探しつつ、生活の基盤が整うまでは実家で暮らします。
連帯保証人の債務を逃れることは難しい…
Aさんは連帯保証人になっていたので、夫が万が一ローンの支払いを怠った場合に支払いを求められるリスクが伴います。
連帯保証人は、債務者として住宅ローンの名義人である夫と同様の責任が伴います。
離婚後も連帯保証人としての責任は、背負い続けなければならないことが多いです。
連帯保証人を外れるには、
- 別の連帯保証人を用意する
- 住宅ローンを借り換える
- 売却などでローンを完済する
といった方法がありますが、ローンが残っている限りはどれも難しいのが実情です。
離婚前の話し合いの時点でローンは夫にきちんと支払ってもらうよう、公正証書などの公的な文書に残しておくようにしましょう。
(2)Bさん(36)会社員の場合
2500万円で新築を購入し、ローンの頭金として2人でお金を出し合って700万円を支払いました。
小学生の娘が1人でき、念願のマイホームだったのですが、夫の不貞行為が発覚し、離婚することになりました。
幸せな新生活を思い描いた途端の出来事だったのでどうしようもない気持ちです。
夫との話し合いの結果、私と娘が家にそのまま住み続けることになりました。
住宅ローンはどうしたか?
夫に養育費としてローンを返済を継続してしてもらうことになりました。
娘もまだ小さいので、私が子育ては引き続き行い、夫に金銭面での援助をしてもらいます。
夫の不貞行為が理由での離婚だったので、事前の話し合いで夫には承諾をしてもらっています。
公的な書面での取り決めもありますが、完全に支払い続けてもらえるという保証があるわけではないので正直不安は付きまとっています。
夫が支払いを怠ると一括返済を求められるリスクがある
Bさんのケースは、リスクがかなり高い手段だということを認識しておく必要があります。
原則、家に住んでいる人が住宅ローンの名義人にならなければなりません。
夫婦間での合意があったとしても、金融機関などの債権者が認めているわけではありません。
そのため、夫がローンの滞納や延滞をすると、早い段階で妻に一括請求される可能性が高いです。
妻が返済不可能となると、家が差し押さえられ、強制退去が命じられる恐れがあります。
路頭に迷ってしまうということになりかねません。
必ず離婚前に公的な文書で離婚後の住宅ローン返済に関して約束を取り決めておきましょう。
(3)Cさん(40)パートの場合
3500万円で新築を購入し、ローンの頭金として2人でお金を出し合って1000万円を支払いました。
結婚5年目、念願のマイホームでしたが、新築を計画中し始めたころから主人とすれ違いが増えたのです。
価値観の違いから言い争いが多くなり、けんかも頻繁に起きるように…
最終的に、ほとんどお互い口を利かなくなってしまいました。
このままでは一緒にいてプラスにならないという判断をして、離婚を決断。。
息子が1人いますがもうすぐ大学に入る年齢です。
自律できる年齢なので、今までの家はなくても問題は大きくないので、売却することにしました。
住宅ローンはどうしたか?
購入時に頭金で1000万円を支払っていたことで、売却金額で残りのローンを返済!
売却に際して、ネットから一括査定に申し込んで複数社に査定をしてもらいました。
知見のある知人によると、不動産会社によって売却金額に100万円以上も差が出るらしいのです!
幸い私たちの物件は立地もよかったため、約3000万円で買い手がつきました。
入居もする前で、新築の価格で売却できたのでローンを完済でき、心の負担が取れました。
残ったお金はきっちり2分の1ずつで財産分与を行い、新生活の資金を持ちつつ当面は子供と一緒に暮らす予定です!
2.新築離婚ならいち早く家を売却すべき!
新築離婚での住宅ローンで、最もトラブルを避けられるのは、Cさんのように売却してしまうことです。
3つの事例を見てきましたが、やはり新築離婚には精神的にも経済的にも負担が伴います。
AさんやBさんのように、夫婦どちらかが住宅に住み続ける場合、連帯保証人の債務からは逃れられません。
そのため、離婚後も住宅ローンのことを常に気にしながら生活しなければなりません。
お金のこと・夫のことを気にしながら離婚後も過ごすのって精神的に疲れてしまいますよね。
新しい人生を考えると、家を売却してしまい、今までの関係は清算してしまう方が最良の選択肢と言えるのではないでしょうか?
さらに、以下のような条件だと「新築」として売却できるので、高く売れる可能性があります。
- 工事が完了してから1年以内
- 新築で入居履歴がない
新築の家を元値近くで売ることができれば住宅ローンも清算できます。
お金が余れば財産分与で新生活の資金に充てることも可能です。
1年以内に売却しないと中古物件扱いになってしまうので、早め早めの決断が未来の自分を救うことにつながります。
それでは、ここからは家を売却するための具体的なアクションについて、見ていきましょう。
3.新築の家を売るための3つのステップ
新築の家を売るためには、大まかに権利関係の確認と不動産の査定をすることがファーストステップになります。
ここからは、家の売却に向けて確実にしなければならないことを大きく3つのステップに分けて解説していきます。
何から手を付けたらいいかわからず不安に思うかもしれませんが、一つ一つ着実に確認して準備していきましょう!
ステップ1. 家・住宅ローンの名義を確認する
家の名義と住宅ローンの名義は違う場合があります。
家の名義人でなければ家の売却を判断する権利がありません。
また、住宅ローンの名義と連帯保証人には誰が入っているのかも確認しましょう。
家の名義の確認方法
改めて内容を調べたい場合、最寄りの法務局で不動産の登記簿謄本をもらって確認するのが確実です。
新築で購入する際には、マイホームを購入できる喜びが勝り、権利関係の内容を把握できていないことが多々あります。
家を買ったときに、不動産登記が示された「権利証」もしくは「登記識別情報通知書」を受け取っていると思うので、それらを確認してもいいでしょう。
住宅ローンの名義の確認方法
ローンを契約している金融機関(銀行など)に問い合わせて確認するのが一番確実です。
住宅ローンの名義と連帯保証人の名義を確認しましょう。
一番多いケースは夫名義で住宅ローンを借りており、妻が連帯保証人になっているケースです。
自分が連帯保証人になっているかどうかは、金融業界の信用情報機関(CICやJBAなど)に問い合わせて調べることも可能です。
ステップ2. 住宅ローン残債を確認する
次に、住宅ローンの残債を確認しましょう。
残債がいくらかを把握していないと、家を打った時の金額でローンをどれくらい返済できるのかが分かりません。
3つほど、メジャーなやり方をお伝えします。
- インターネットバンキングを使って調べる
- フラット35の住宅ローン残債を調べる
- 住宅ローン返済予定表で調べる
インターネットバンキングを使って調べる
楽天銀行や住信SBI銀行などのネットバンキングの場合、ネットで住宅ローン残債を確認できます。
また、メガバンクや地方銀行でもインターネットバンキングに対応している金融機関であれば、手続きをすれば照会が可能です。
スマホでも簡単に確認できるので、まずはこちらのやり方を試してみましょう。
フラット35の住宅ローン残債を調べる
フラット35でローンを組んでいる場合、取り扱いの金融機関もしくはコールセンターに連絡することで照会できます。
お客さまコールセンター 専用ダイヤル(電話:0120-0860-16)
コールセンターで照会を求める場合は、返済引き落とし口座の口座番号を本人確認のために聞かれます。
事前に準備をして電話するようにしましょう!
住宅ローン返済予定表で調べる
住宅ローンを契約すると、返済予定表が送られてくる場合があります。
送られてきている場合は、繰り上げ返済や滞納していない限り、その紙に残債の記載があるので正しい金額が確認できます。
最新の情報かどうかは定かではないので、可能であればインターネットバンキング等で確認することをおすすめします。
ステップ3. 専門業者に物件価格を査定してもらう
家の権利関係とローンの残債を把握したら、実際に家がいくらで売れるのかの査定を行いましょう!
ポイントは、複数の業者に一括査定を行うことです。
業者によっては、100万円単位で最終的な売却金額が変わってくる例も存在しています。
売却するなら損をしないように、なるべく高く売りたいですよね。
複数の業者に一括査定できるサイトを3つご紹介するので、まずは家がいくらくらいで売れるのかを調べてみましょう!
4.家の査定で活用すべき4つのサイト
①HOME4U
提携会社数1300社以上
→HOME4Uで一括査定してみる
2001年開始の日本初の不動産一括査定サイトなので、実績が豊富にあります。
運営会社はNTTデータグループが運営しているので、セキュリティ面でも安心して利用することができるといえます。
②LIFUL HOME’S
提携会社数1800社以上
→LIFUL HOME’Sで一括査定してみる
サイト独自の掲載基準を設けており、基準をクリアした不動産会社のみが掲載されています。
不動産会社の特色や意気込みが分かる情報が豊富に掲載されているので、査定を依頼したい会社の詳細を見てから選ぶことができます!
運営会社の一部上場企業の株式会社LIFULなので、セキュリティ面も安心できます!
③イエウール
提携会社数1600社以上
→イエウールで一括査定してみる
最大6社と複数比較できるので、より正確な売却金額を知ることが可能です。
比較する場合としない場合では、売却金額に100万円以上差がつくこともよくある話なので、客観的な適正価格を知るために利用してみましょう。
④イエコン
弁護士と提携しているため、トラブルの心配が少ない不動産会社です。
→イエコンで一括査定してみる
権利関係が複雑な共有持ち分の売却に強みを持っています!
新築離婚でも頼りになるので、査定だけでなく相談もプラスαでしたい方は利用してみてください。
5.もし売却できなかったらどうするか?
売却金額でローンの残債を完済できない場合、借金の残った家を買いたいという人はいないので、原則売却することができません。
残ったローンを現金や、親からの借金などで返済できる場合は売却できるケースもあります。
車を売ったり、生命保険を解約したりして現金を作る手段を考えてみましょう。
しかし、どうしても金額が届かない場合にとれる選択肢はいくつかあります。
なるべく多くの選択肢を検討して、最良の選択肢を見つけましょう!
5−1. どちらか一方が住み続ける
AさんやBさんのように、夫婦のどちらか一方が住み続ける選択肢です。
この場合、住宅ローンの支払いを誰がするのかというところがポイントになってきます。
加えて、連帯保証人もローン名義人と同様の債務を背負い続けなければならないということも忘れないでください。
あとあと、ローンの支払いをどちらもできなくなり、家が差し押さえになって強制退去という最悪のケースも想定できます。
可能ならば売却したいところですが、住み続ける場合は離婚前に公的な文書でローンの返済計画をしっかりと話し合い、決めておくようにしましょう。
5−2. 賃貸物件として貸し出す
賃貸として貸し出すのは魅力的な選択肢に見えるかもしれませんが、現実はそうでもありません。
家を貸すためには、賃貸経営と余裕資金が必要になってきます。
賃貸に出す場合の出費は想像以上に多いことがほとんどで、家賃=収入というわけではありません。
また、借り手が見つからない場合、空き室の期間はローンを自腹で支払い続けないといけないリスクもあります。
条件として、都心近くで賃貸需要が高く、余裕資金が十分にある場合にのみ選択肢として検討してみてもいいでしょう。
賃貸に出して経営する場合の注意点を解説した記事があるので、検討したい方はリスクの把握を行いましょう!
→知らないと確実に失敗する!?マンション経営を破滅に導く6大リスク
5−3. 任意売却を行う
売却金額で住宅ローンの残債に足らない場合は、残りの残債分の金額を別途で支払わなければなりません。
一般消費者向けに売却するためには、ローンを完済できている状態でなければ販売することができません。
売却金額で住宅ローンを完済できない場合、任意売却という手段も取ることが可能です。
任意売却は、住宅ローンが未完済でも家を売却できる方法です。
任意売却から数年は新たにローンを組めなくなってしまうので、あくまで最終手段として考えておきましょう。
詳しくはコチラの記事で解説していますのでご覧ください。
→知らなきゃ損する!離婚で家を売るうえで知っておくべき4つのポイント6
6.まとめ
新築離婚にまつわる家の売却方法や住宅ローンの支払いについて解説してきました。
新築離婚のポイントをまとめると、
- 長期的なリスクを考えると売却がベストな選択
- 完成から1年以内に入居せずに「新築」価格で売却しよう
- 権利関係・ローン残債の確認をしたうえで複数社に査定してもらおう
以上3つになります。
新築離婚は精神的にも経済的にもエネルギーを消耗します。
離婚後、長きにわたって負の遺産になるなど、なるべく後悔を残さずに新しい人生を切り開けるように、準備を進めていきましょう。
人生で一番高い買い物である新築物件、大金のローンを抱えている今、とっても不安ですよね。
しっかりと情報を集めることで不安は軽減されていくので、不安は多いと思いますが、まずは名義関係の確認・一括査定などから始めてみてください!
新しい人生を気持ちよくスタートできるよう、応援しています!