知らなきゃ損する!離婚で家を売る上で知っておくべき4つのポイント

「離婚で家を売ろうと思っているのですが、何から手を付けたらいいかわかりません…。」

離婚の手続きだけでも精神的に疲れるのに、不動産の手続きとか分からないこと多すぎますよね。

実は、離婚で一番もめるのは家についてなんです!!

後回しにしてしまうと、

「離婚後に家を結局売れずに20年もだれも住まずに放置状態…」

なんてことに。

そうならないように、今回は、離婚にまつわる財産分与・不動産売却について知識ゼロの人にも分かりやすく解説していきます。

押さえるべき点を4つのポイントに分けてお話していきます。

円満な離婚と不動産の売却で資金を手に入れて、気持ちよく新生活をスタートさせましょう!

1.離婚時に家を売るために確認すべき4つポイント

離婚の際に家を売るとなると、なるべく高く売りたいですよね。

家の売却なんて一生に一度あるかないかレベルのことなので、事前に知識があることはほとんどありません。

なるべく高く不動産を売却できるように、以下の4つのポイントを中心に解説していきます。

  1. まず不動産の名義と購入時期を確認すべき
  2. 離婚で家を売るなら離婚直後がベスト
  3. 住宅ローンの状況によっては売れない場合もある
  4. 家をなるべく高く売るべし→複数査定はマスト!

ポイント1.不動産の名義と購入時期を確認すべき

失敗ケース:

「夫婦で一緒に住んでいた家だったのに、私の名義ではなく夫単独の名義になっていました。離婚の際に私に売却の権利がなくて、財産分与できず経済的に困窮してしまった」

不動産の売却は、基本的にその不動産の名義人でないとできません

例えば、たとえ夫婦で一緒の家に住んでいても、夫の名義だと何も口出しできません。

まず最初に、不動産の名義人は誰になっているのかを確認しましょう!

(1)名義と購入時期を確認する方法

不動産の名義を確認するために、不動産の登記を確認しましょう。

不動産登記が示された、「権利証(登記済権利証)」もしくは「登記識別情報通知書」を家を買ったときに受け取っているはずです。

ここに不動産の名義が記されています。

  • 権利証…購入時期が平成17年の3月以前の場合
  • 登記識別情報通知書…購入時期が平成17年の3月以降の場合

これらは売却の際に必要な書類なので、事前に探して手元に用意しておきましょう!

(2)登記を確認する書類を失くしてしまった場合

権利証や登記識別情報通知書を失くしてしまった場合、最寄りの法務局で登記を確認することができます。
法務局の公式HPはこちら

また、インターネットでも登記情報は確認出来ます。
登記情報提供サービスHPはこちら 
(操作は平日の8:30〜21:00のみ)

また、不動産会社に売却を依頼すると登記の確認までしてくれるので、不動産会社を先に探してもいいでしょう。

ただし、権利証や登記識別情報通知書をなくしたけれど売却したい場合、売買契約の前に司法書士による手続きが必要です。

詳細は不動産会社が手配してくれるので、不動産会社と契約したら早めに担当者に相談するようにしましょう。

補足:「不動産が夫名義だったらどうする?」

この場合、夫は妻に相談や通知することなく独断で家を売却することができてしまいます。

離婚する前に別居している時など、「勝手に家を売却されていた!」なんてことになりかねません!

勝手に売却されないようにする方法としては、以下3つの方法があります。

  • 権利証を預かる
  • 勝手に家を売却しないという約束を書面化しておく
  • 仮差押(かりさしおさえ)する

旦那名義の家でも、結婚後に築いた財産であれば夫婦で2分の1ずつに分け合うのが基本の考え方です。

財産分与をスムーズに進めるために、夫名義の家の場合でも勝手に売却されないように手を打っておきましょう!

ポイント2.離婚で家を売るなら離婚直後がベスト

離婚で家を売るベストタイミングは、離婚直後です。

基本的には、離婚後になるべく早く家は売らないとトラブルにつながるリスクが高いです。

失敗ケース:

「離婚前に不動産についての話し合いを怠って、離婚直後に不動産の売却ができなかった…。
相手と連絡が取りづらくなり、不動産の売却が遅れています。ローンも残っているし、もっと早めから計画しておけばよかった!!」

このような事例は多くあり、離婚直後に売却をして財産分与するのがベストだといえます。

では、離婚前に売却してしまって、売却代金を離婚後に分け場合はどうでしょうか?

注意点として、離婚前に売ってしまうと税金がかかってしまうということが挙げられます。

離婚前と離婚後では、財産としての家の扱いが変わってくるのです。

(1)離婚前に売ると贈与税がかかるかもしれない

理由は、財産分与贈与税の問題があるからです。

補足:贈与税とは?

相続時を除いて、個人から金銭や住居などの財産を譲り受けた場合に納付しなければならない税金のことをいいます。

仮に離婚前に不動産を売却して残ったお金を配分したら、財産を無償で分け与える「贈与」という行為にあたります。

この場合に、贈与税がかかってしまいます。

財産分与をする際よりも多くのお金が出ていってしまうのです。

贈与税を発生させないためにも、売却は離婚後に行ったうえで財産分与をするという流れがベストでしょう。

さらに、離婚直後というのもポイントです。

離婚の話し合いを進める際、不動産はどのように財産分与をするかについてもきちんと決めておかないと、離婚後にもめてしまう原因になります。

不動産会社にコンタクトを取り、プロに直接相談してベストな選択肢を探すことをお勧めします。

(2)【例外】離婚前の売却でも贈与にならないケース

それは、夫婦で50%ずつの所有権割合で、共有で住宅を持っている場合です。

不動産の購入時に連帯債務やペアローンを組んでいている場合、上記のケースに当てはまることがあります。

夫婦がそれぞれ50%ずつ持っている場合、その不動産を売却すると50%ずつのお金がそれぞれに配分されます。

つまり、離婚前に売却しようと後であろうと、結果として分配されるお金は50%ずつになり、同じになります。

すでに別居状態でお互い家には住んでいないというケースなどは、固定資産税がかかってしまいます。

そのため、早めに(離婚前に)売却してしまう方がいいですね。

ポイント3.住宅ローンの状況によっては売れない場合もある

失敗ケース:

「住宅ローンを組んでいるけど離婚を機に家を売却することでローンを完済して、心機一転新しい生活を歩むつもりだったんです…。でも調べてみると売却金でもローンを完済できず、売却自体ができなりことに。無知だった自分を恨みます…。」

離婚時の不動産売却は、住宅ローンの状況によって大きく変わってきます。

住宅ローンが残っていると、売りたくても売れないケースも出てきます。

あなたがどの状況に当てはまるか把握し、ベストな解決策を把握しましょう!

(1)住宅ローンが残っていない場合

住宅ローンが残っていない(完済している)、もしくは現金一括購入で不動産を購入していた場合です。

この場合、一般的な方法である「仲介」で売却できるパターンと、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」のパターンがあります。

「仲介」で一般消費者に売却する

「仲介」は、不動産仲介業者に売却を依頼し、集客~売却までを代理で行ってもらうことを指します。

売却の対象は、一般消費者となり、この場合一般的な相場価格で売却することが可能です。

「買取」で不動産会社に売却する

「買取」は、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらうことを指します。

「仲介」のデメリットして、いつ売れるのかが分からないということがあります。

それに比べて、即現金化できるのがメリットです。

一方、買取価格は相場価格の7割程度になってしまい、その点に関しては注意が必要です。

(2)住宅ローンが残っている場合

ローンが残っている場合

  • ローン残高(残債)がいくらあるのか?
  • 家を売却したらいくらで売れるのか?

を調べる必要があります。

家を売却したお金でローンを完済できるかできないかがポイントになってきます。

売却したお金でローンを完済できる場合:アンダーローン

住宅ローンの残債 < 売却価格 = アンダーローン

アンダーローンの場合、住宅ローンがない場合と同じで、「仲介」で一般消費者向けに売却することができます。

売却したお金で住宅ローンを完済します。

そして、手元に残ったお金を夫婦で財産分与します。

売却したお金でローンを完済できない場合:オーバーローン

住宅ローンの残債 > 売却価格 = オーバーローン

オーバーローンの場合は、原則売却することができません

ローンの残債で足りないお金を預貯金などから補填しなけれすることが売却に必要な条件になってきます。

ただし、手元にお金がなくてローンの残債を払えないけれど、売却しなければならないケースも存在します。

例えば、離婚後夫婦のどちらも家にはすまないという場合です。

そのケースでは、「任意売却」という方法をとります。

オーバーローンの場合でも売却できる方法です。

任意売却についての注意点

任意売却するためには、ローンを借りている債権者(金融機関など)の承諾が必要です。

通常の不動産取引として扱われるので、競売に比べて高値での取引が期待できるので、負債をより軽減させることができます。

補足:競売とは?

債権者(金融機関など)が裁判所を通じて、強制的に不動産の売却が行われ、その売却代金からローンの残額を回収する手続きのことです。

また、通常の不動産取引になるので周囲にも知られることはありませんし、債務者(借主)手動で売却を行うことができます。

ただし、任意売却でローンの完済ができるわけではない点は注意が必要です。

売却代金で払いきれずに残ったローンについては、もちろん離婚後も支払わなければなりません。

任意売却後の返済方法については債権者(金融機関)と話し合って決めることができるので、経済面を考慮して返済計画を立ててもらえます。

ポイント4.家をなるべく高く売るべし→複数査定はマスト!

ここまで、

  • 不動産・ローンの名義を確認しよう
  • 離婚直後ののタイミングで売却がベスト
  • 住宅ローンの残債の確認しよう

以上3つのポイントを解説してきました。

ここからは、離婚後にすぐに家を売却するにはどうすればいいかをお話ししていきます。

そのために必要なのが、「実際に家がいくらで売れるのか?」というところです。

高い金額で売却するためには、複数の業者で一括査定をしてもらう事です。

ここで、以下の失敗ケースを見てましょう。

失敗ケース:

「離婚で不動産を売却するときに1社しか査定してもらわずに売ってしまった。後から複数査定した方がいいって話を聞いて試しに他社で裁定してもらったらなんと売却額が500万も上がっていた…」

このように、しっかりと比較検討しないと業者によっては数十万~数百万単位で大きな損をしてしまうことにもつながります。

自分たちだけで判断するより、不動産のプロにしっかりと相談してみることが大切です。

1社だけで判断せずに、複数社で査定・相談してもらい、ベストな選択肢を模索していきましょう!

不動産の一括査定も可能なので、

  • 今のお家がいくらの価値になるのか?
  • オーバーローンなのか、アンダーローンなのか?
  • 売却した場合、債務はどうなるのか?

といったことが明確になり、今後の計画を立てやすくなります。

こちらから一括査定+プロに相談可能です。 

2.不動産売却にまつわる疑問あれこれ

など、住宅ローンにまつわる心配事は多くの人が抱えています。

ややこしいことも多いので、さらにここからはよくある疑問について分かりやすく解説していきます。

(1)連帯保証人から外れたい場合はどうしたらいい?

「住宅購入の際、住宅ローンは夫名義だけど私が連帯保証人になっている」

夫婦で住宅を購入するときに、夫がローンの名義人となり、妻が連帯保証人になるケースが多くあります。

補足:連帯保証人とは?

お金を借りた人と同じ責任を負うという義務が課されている保証人のこと。
お金を借りた人がどうしても支払わない場合に責任が生じるわけではなく、同じ責任が生じます。

債務者である夫がローンの支払いを滞納すると、すぐさまローンの全額一括返済を要求されてしまいます。

そして、連帯保証人にそれに反論したり、半分は夫に請求してほしいなどといった主張をすることもできません。

かなり重い責任を負っているのが連帯保証人だという認識をしておいてください。

離婚をするときに、妻が連帯保証人になっていると、離婚後も重い責任を背負い続けることになります。

連帯保証人を外れるには、

  • 連帯保証人を別の人に差し替える
  • 住宅ローンを借り換える
  • 家を売却する

この3つのうちどれか1つを行う必要があります。

オーバーローンの場合は住宅ローンが残るので、その場合は夫婦で協力して支払わなければなりません。

連帯保証から外れたいけどどのようにしたらいいのか分からないという悩みをお持ちの方は、不動産会社で相談してみてください。

ベストの選択肢は何なのか、アドバイスをもらうことができます。

(2)抵当権の抹消はどうしたらできる?

「住宅ローンを完済しないと抵当権が抹消されないから、ローンが支払えないと競売にかけられるって聞いてとても心配…」

住宅ローン組んでいる間は、金融機関の抵当権が設定されています。

補足:抵当権とは?

住宅ローンが支払われなくなると、金融機関は物件を強制的に競売にかけ手売却し、売却金からローンを回収できるという権利です。

「仲介」で一般消費者向けに不動産を売却しようとした場合、抵当権が消えていない物件をわざわざ購入しようという人はいません。

家を売却するためにはその前提として抵当権を抹消しなければなりません。

抵当権の抹消のためには、ローンを完済が必要です。

オーバーローンの場合、不足分の残債を支払う手段として、誰かからお金を借りて支払うか、任意売却があります。

任意売却は前述していますが、残ったローンの残債分は、引き続き支払わなければなりません

金融機関との話し合いになりますが、毎月の支払額の減額や残債の圧縮なども応じてもらうことも場合によっては存在します。

金銭的な負担を少しでも抑えるために、選択肢として考えてみましょう。

3.まとめ

以下に改めて、今回の記事のまとめを記載します!

  1. 不動産の名義を確認し、誰の所有物か確認しよう
  2. 離婚直後に家を売れるように離婚前から準備を進めよう
  3. 住宅ローンの状況を把握し、ベストな選択肢を考えよう
  4. 家をなるべく高く売るために複数査定を行おう

離婚の際の不動産の財産分与では、確認事項が多く大変です。

全く知識を知らない状態で離婚してしまって、後々もめたりしたくないですよね。

まずできることは名義の確認からですが、早めのうちに不動産のプロに相談してみましょう!

離婚には大きな精神的負担が伴います。

長期的に負担を強いられないように、知識を身につけた上で、スムーズに話を進められるようにしておきましょう。

この記事があなたのお役に立てば幸いです!