「憧れの場所に移住して悠々自適に暮らしたい」そんな願望をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし今住んでいる場所を変えて生活するとなると、金銭的な負担や心身共にかかる負担も大きく大変です。
そこで注目されているのが「お試し移住」と呼ばれるものです。
お試し移住は、移住をする前に実際にその土地で短期間暮らし、生活を体験します。
今回は、お試し移住の魅力や注意点、おすすめの地域を紹介していきます。
「近い将来移住を考えている」「まずはお試しで移住してから移住先を検討したい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
1.移住する前にお試し移住をしよう
本格的な移住となると、身の回りのあらゆる状況が全て変わることになります。
住み慣れた街を離れるとなるとなかなか踏み切れないという人も多いはず。
そこでおすすめしたいのが、お試し移住です。
お試し移住とは?
お試し移住とは、地方への移住を検討している方向けに自治体が行なっている移住推進活動の1つです。
実際に住んで体験してもらうことで、リアルな住み心地や土地の魅力を体感することができます。
ただしお試し移住は全ての自治体が行なっているわけではないので、気になる地域があればお試し移住を行っているか調べてみましょう。
2.お試し移住の5つの魅力
移住する前にお試しすることで、いくつかメリットがあります。
ここでは、お試し移住の魅力を5つご紹介します。
- 生活の様子が分かる
- 地域の人と交流できる
- 滞在費がリーズナブルである
- 移住後スムーズに生活が始められる
- 移住への不安が解消される
それでは、順に見ていきましょう。
魅力1.生活の様子が分かる
当然のことですが、移住は旅行とは違います。
非日常的な体験をする旅行と違って、移住はその場所で毎日生活することになります。
お試し移住は、実際の生活の様子を身をもって体感することができるのです。
移住してから「想像していた生活スタイルと違った」と感じることもないので、移住で失敗するリスクを減らすことができます。
魅力2.地域の人と交流できる
新しい環境で充実した生活を送るためには、近隣住民との関係性がとても大切です。
お試し移住で地域の人と実際に交流することは、良好な関係を作ることができるだけでなく、その土地の歴史や風習を知ることに繋がります。
また、地域の人柄や文化の違いなども感じ取り、自分が合うのか確認することができるでしょう。
魅力3.滞在費がリーズナブルである
自治体が提供する宿泊施設によっては、無料で移住体験ができるところもあります。
一方で集合住宅や一般的な住宅を滞在施設とする場合は、有料となるケースも。
しかし、有料の住宅では光熱費が費用に含まれていたり設備が整っていることがほとんどなので、リーズナブルに滞在することができます。
魅力4.移住後スムーズに生活が始められる
移住してから少しずつ新しい生活に馴染んでいくというのも、決して悪くありません。
しかしお試し移住をしておけば、生活スタイルや周辺の環境に慣れるのも早く、移住後の生活が非常にスムーズです。
生活がガラリと変わることに適応するスピードは人それぞれ違いますし、事前情報は多いに越したことはありません。
魅力5.移住への不安が解消される
全く知らない場所での新しい生活というのは、想像以上に負担が大きいものです。
「新天地でうまくやっていけるだろうか?」そんな不安は少なからず誰にでもあるでしょう。
そんな移住への不安は、お試し移住をすることで多少なりとも解消されます。
「移住」の経験を積んでおくことは、あなたの背中を押してくれる強い材料となります。
このようにお試し移住は、その地域に移住を考えている人にとってとても魅力的です。
次は、実際にお試ししてほしいおすすめの移住先を見ていきましょう。
3.おすすめのお試し移住先10選
お試し移住を推進する自治体も増えているなかで、国内には移住に最適な場所が数多くあります。
ここでは、お試し移住にオススメしたい場所を厳選した10地域ご紹介していきます。
「まだ移住したい場所が決まっていない」「移住に人気の場所ってどこだろう?」というあなたは是非チェックしてみてください。
おすすめ1.北海道ニセコ町
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北海道ならではの広大な土地を活かして作られた「ニセコブランド」で有名なニセコ町。
馬鈴薯やメロン、アスパラは質が良く全国的にも人気があります。
また夏は爽やかな涼しさ、冬は北国らしい雪景色など、1年を通して北海道らしい自然を感じられます。
そんなニセコ町では、ニセコ生活体験「ちょっと暮らし」を展開中。
ホテル、ゲストハウス、マンションとタイプの違う3施設での長期滞在プランを用意しています。
おすすめ2.高知県高知市土佐山地区
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高知県の市街地から約25分車を走らせると、清流と野鳥の鳴き声が響く自然豊かな山あいが広がる土佐山地区。
市街地へのアクセスが良いので、市街地へ通勤しながら移住を楽しむ人も多いそうです。
野菜の有機栽培にも力を入れており、新鮮でヘルシーな食生活を送ることもできます。
さらに高知といえば言わずと知れた「よさこい」の町!
よさこいの魅力に惹かれて移住してくる「よさこい移住」が近年増えています。
おすすめ3.千葉県いすみ市
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水揚げ量日本一のイセエビやたこといった海の幸をはじめ、農産物や米の生産も盛んないすみ市。
そんないすみ市では、1週間以内市内で滞在して移住を体験できる「お試し移住」プログラムを開催しています。
滞在中に住環境(病院・教育機関・交通機関・スーパー等へのアクセス)を体感したり、地域の人々との交流プログラムも用意されています。
他にも、いすみ市内に空き家を持つ所有者と空き家を探している移住希望者をマッチングする「空き家バンク」制度を導入。
町をあげて移住希望者をバックアップしてくれるので、移住後も安心して暮らすことができます。
おすすめ4.静岡県浜松市
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都会暮らしの便利さと程よい田舎ののどかさを兼ね備えた街・浜松。
起業やものづくりのエネルギーに溢れる浜松は、第二の人生を送るのに最適な場所と言えます。
そんな浜松市では、移住に関する相談が気軽にできるように、ふじのくに移住ポータルサイト「だもんで静岡県」を運営中。
実際に浜松市に移住した先輩移住者の体験談をまとめてあったり、移住に関する相談ができるイベントを定期開催しています。
他にも、田舎暮らしを体感できる「お試し住宅」が県内各所に用意されています。
移住者に優しい街づくりに力を入れている浜松市で、移住を検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめ5.長野県松本市
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国宝松本城や国宝旧明智学校など、歴史の深さを街の各所で感じられる松本市。
大小様々な温泉が数多くあることから、国内屈指の観光スポットとして有名です。
そんな松本市は、首都圏をはじめとする県外から多くの移住者が訪れています。
移住希望者の支援として、個別相談会やオンラインセミナーを開催しています。
東京・名古屋・大阪などの都市部でも、松本の暮らしを紹介する移住セミナーも開催されるほど積極的に移住を勧めているのです。
更に公式LINEカウントにて、移住に関するイベントや先輩移住者の声など、松本市への移住を考えている方向けのお役立ち情報を配信しています。
遠方で現地まで行くのが難しいという人でも、移住に関する情報を簡単に得ることができます。
おすすめ6.広島県北広島町
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安心して暮らせる街づくりに力を入れている北広島町。
在宅医療にも力を入れていたり、犯罪も全国平均よりも非常に低くなっていたりと安心できる「医療・防災・防犯」を強化しています。
ユネスコ世界無形文化遺産に登録された壬生の花田植も全国的に有名です。
そんな北広島町で「移住体験をしてみたい!」という方のために、お試し住宅があります。
空き状況によっては最長6ヶ月まで住むこともでき、街の暮らしに慣れるには最適な環境と言えるでしょう。
おすすめ7.大分県豊後高田市
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様々な効能を持つ温泉や歴史が息づく古い街並みなど、観光地としても人気の豊後高田市。
そんな豊後高田市の魅力に惹かれて移住する人は後を絶ちません。
同市ではお試し移住の一貫として、「半住半旅 田舎暮らし体験」を実施しています。
最短1週間から利用できる貸切のコテージで実生活をしながら、地元の暮らしや自然に触れるなかで土地の魅力を体感することができます。
他にも移住応援策として、家の建設・改築、中古住宅の斡旋など幅広い支援が用意されています。
おすすめ8.富山県南砺市
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水田地帯の中に美しく佇む散居村で有名な南砺市。
充実した子育てサポートや手厚い健診制度が整っており、ファミリー層の移住先として特に人気を集めています。
そんな南砺市でお試し移住をしたいなら、「体験ハウス」を利用してみてはいかがでしょうか。
1泊1,000円で利用できるだけでなく、最長1ヶ月間の滞在も可能です。
生活に必要な布団や家具、冷蔵庫や洗濯機などの家電が全て揃っているので、着の身着のままでお試し移住ができちゃいます。
おすすめ9.兵庫県養父市
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兵庫県最高峰の山・氷ノ山をはじめ天滝やハチ高原など豊かな自然に囲まれた養父市。
関西エリアで移住先を探しているという方は、是非一度養父市の「ちょこっと暮らし住宅」を訪れてみてください。
1ヶ月1万円での利用が可能で、最長1年間滞在することもできます。
長い時間をかけてじっくり検討したいという方には、最適な場所と言えます。
短期滞在ができる宿泊施設もありますので、希望に合わせて選ぶことができるのも魅力的です。
おすすめ10.茨城県常陸太田市
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さくらまつりや花菖蒲まつりなど年間を通してお祭が多く、地域のつながりを大切にしている常陸太田市。
お試し居住としてトライアルハウスを利用できるほか、滞在中は様々な体験プログラムも充実しています。
農業体験やそば打ち体験を通して、地元に住む人々と交流してみましょう。
4.お試し移住をするときの3つのポイント
お試し移住を本格的に検討している場合、計画を実行する前に確認しておいてほしいことがあります。
お試し移住をする前に確認しておくべきポイントは、以下の3つです。
- お試し移住の条件に当てはまるか確認する
- お試し移住でかかる費用を準備する
- 実際に移住したときの生活をイメージする
事前準備がお試し移住を成功へと導いてくれますので、必ず目を通してください。
ポイント1.お試し移住の条件に当てはまるか確認する
お試し移住したい場所がある程度絞られてきたら、移住先の条件を確認しておくと良いでしょう。
例えば以下の項目です。
- 利用可能日数/期間
- 利用可能人数
- 滞在料金の支払い方法
利用可能日数に関しては、最低○日〜、最長○日間までといった規定が定められているところがほとんどです。
自分のスケジュールと照らし合わせて、どれくらいの期間滞在するのか、いつまで滞在できるのかを決めておくようにしましょう。
利用可能人数に関しても同じです。
ファミリーでお試し移住したいなら、最大利用可能人数を確認するのをお忘れなく。
また滞在料金の支払い方法は、一括前払いや後払いなど施設によって様々です。
まとまった金額が必要になるかもしれないので、各自治体に問い合わせておくと安心です。
ポイント2.お試し移住でかかる費用を準備する
お試し移住では、滞在費用が有料になるか無料になるかが各自治体によって変わってきます。
ある程度まとまった日数で滞在する予定ならば、その分生活費も増えることになります。
お試し移住をスタートする前に、どれくらい費用がかかるのかを計算しておくようにしましょう。
【北広島町のお試し住宅】
利用可能期間:7日間~3ヶ月(応相談)
利用料金:7日間(7,000円)以降1日当たり1,000円(光熱費込)
14日間利用した場合:施設利用料金14,000円
※別途生活費
施設利用料だけでも2周間の滞在で14,000円かかります。
他にも食費や移動費、交際費など別の出費も必要になってくるので、念のため多めに費用を準備しておくと安心です。
ポイント3.実際に移住したときの生活をイメージする
お試し移住をする目的は、実際に移住する前に「一体どんな暮らしが待っているのか」をシミュレーションすることです。
そのためにも、お試し移住の間は実生活のイメージをしながら生活するようにしましょう。
例えば、以下のような生活に密接した場所は最低限チェックする必要があります。
- スーパー
- 病院やクリニックなどの医療機関
- 子供が通う学校
- 塾や習い事
大切なのは、「その土地で快適に暮らすことができるかどうか」です。
実際にお試し移住をしてみて理想の生活が過ごせるのか確認しましょう。
5.これだけは気をつけたい!移住をする前に気を付ける全注意点
気に入った土地に移住するとなると、楽しみや期待でワクワクが止まらないことでしょう。
しかし、移住を決意する前に知っておかなければならない情報というのもあります。
ここでは、移住する前に気をつける注意点を5つ紹介します。
- ライフイメージを明確にしておく
- 自治体の支援制度を確認しておく
- 今住んでいる家をどうするか決めておく
- 資金計画を練っておく
- 家族の意思を確認しておく
移住してから「こんなはずじゃなかった!」とならないためにも以下の項目をちゃんと確認しておきましょう。
注意点1.ライフイメージを明確にしておく
長い人生、時間の経過と共に生活環境や生き方はどんどん変わっていきます。
いつ何時何が起こるかは分かりませんが、移住前にライフイメージをできるだけ明確にしておくことが大切です。
具体的には、1年後、3年後、5年後、10年後といった数年単位で想定できるライフイメージを持つことがおすすめです。
ただ漠然としたイメージではなく、「どこで何をしているか」まで具体的にイメージしてみましょう。
そうすることで「そのために今何が必要なのか」も明確に見えてきます。
注意点2.自治体の支援制度を確認しておく
移住を推進している自治体によっては、様々なサポートを受けることができます。
例えば、以下のようなものがあります。
- 空き家や古民家の紹介
- 移住に関する相談会や地域イベントの開催
- 就業及び開業支援
- 子育て世帯への給付金支給
各自治体のホームページで確認できますので、移住を決める判断材料として是非チェックしてみてくださいね。
注意点3.今住んでいる家をどうするか決めておく
今住んでいる家に関しては、2つの選択肢があります。
- 売却する(土地のみor家ごと)
- そのままにする
売却を考えているなら、まずは不動産会社に相談するのがおすすめです。
売却時期や価格などは交渉に時間がかかる可能性もあるので、なるべく早めに行動すると良いでしょう。
そのままにする場合は、しばらくの間空き家状態になります。
犯罪や衛星問題など空き家に関するトラブルも実際に起こっていますので、近所の人に迷惑にならないよう定期的な家のメンテナンスをするよう心がけましょう。
注意点4.資金計画を練っておく
移住をするとなると、事前にかかる費用以外にもその土地で暮らすための資金が当然必要になります。
資金繰りで苦労しないためにも、あらかじめ資金計画を練っておくことはとても大切です。
「移住先で働きながら生活したい」という方は、移住先での就職先を確保することが先決です。
転職サイトやハローワークで仕事探しをするという手もありますが、自治体によっては移住者向けの就業支援を行なっている場合もあります。
実際に、豊後高田市では起業・融資支援制度や就農支援制度などを設けて移住者への支援を行っているので活用すると良いでしょう。
注意点5.家族の意思を確認しておく
単身で移住をするなら問題ありませんが、家族で一緒に移住をするなら最初に確認しておかなければならないのが家族の意思です。
いくらあなたが移住したいと思っても、家族が同じ思いを持っているとは限りません。
ましてや学校や就職先などの生活環境が大きく変わることになるのです。
移住に関する家族トラブルを避けるためにも、お試し移住は家族全員で参加するようにしましょう。
そして、移住することが家族にとってより良い暮らしとなるのかどうかをじっくり話し合うことは、移住成功のためには必要不可欠なことです。
6.移住を考えたらまずはお試し体験ツアーがおすすめ
「本格的な移住をする前にまずはお試ししたい」という声から始まったのが、近年特に人気を集めている「お試し体験ツアー」です。
お試し体験ツアーは、大きく分けて無料タイプと有料タイプのものがあります。
【無料タイプ】
(例)子育て体験ツアー、就業体験ツアー、ものづくりツアー
【有料タイプ】
(例)地域の農家に民泊、簡易宿泊施設に素泊まり
これらは実際に過去に開催された体験ツアーの一部です。
自治体によって毎年違った体験ツアーが企画されていますので、気になったものには是非参加してみてくださいね。
移住する前にお試し移住で要チェック!
今回はお試し移住についてご紹介しました。
新しい土地での新しい暮らしによって得られるゆとりや豊かさは計り知れません。
移住で豊かな生活を手に入れるためにも、お試し移住は暮らしをイメージできる貴重な機会と言えます。
お試し移住であなたらしく暮らせる場所を是非見つけてみてください。