失敗しない!事故物件の売却をスムーズに進める4つのポイント

「持っていた物件が事故物件になってしまった…売却したいけど安く買いたたかれるって聞くし実際どうなんだろう?」

保有していた物件で人が亡くなってしまうことは起こりうるもの。

事故物件になってしまうと、そのまま持ち続けてもなんだかな…売却したいと考えるものではないでしょうか?

「事故物件だし、売却しても値段が落ちる」

と思われがちですが、事故物件は築浅で物件自体の価値は落ちていないものも多くあります。

今回は、事故物件を損せずスムーズに売却するためにはどうすればいいのか、についてお話しします。

事故物件を売却するためには、以下4つの施策が考えられます。

  1. 事故物件専門業者を利用して売却する
  2. 買取サービスを利用して売却する
  3. あえて期間を空けてから売却する
  4. リフォームする・取り壊す

売却方法はこの4つですが、売却時に事故物件の相場よりも安く買いたたかれたり、知識のないまま話が進んで後々問題になったりするのは避けたいですよね。

そこで、

  • 事故物件の相場かかってどのくらいなのか?
  • 事故物件を売却するときの注意点

も併せてお伝えしていきますl

悪徳不動産会社に割安価格で買いたたかれないように、まずは事故物件を売却した時の相場価格をお伝えしていきますね。

1.事故物件の相場ってどれくらい?

事故物件を売却するとき、普通の物件と同じ価格では売却することはできません。

「自殺者が出た家に住むのはちょっと嫌だな…」
といったように、住む人の心理的な問題が起こるため、普通の物件よりは買い手がつきづらくなってしまうからです。

そもそも事故物件とは、自殺や他殺など、家で人の死にか関わる事故や事件が起きた物件のことを指します。

事故物件を判断するときには「心理的瑕疵」がポイントになります。

▼心理的瑕疵とは
瑕疵とは、見えない欠陥や欠点、過失などを指し、不動産業界でよく使われる言葉です。
心理的瑕疵は、「その事実を知っていたら契約しなかった」と思わせるような事象を指します。
隣がゴミ屋敷、近所に暴力団の施設がある等も心理的瑕疵に含まれます。

事故物件では、心理的瑕疵が発生するため、相場よりも価格が落ちてしまうのです。

それでは、実際にどのくらい売却する時の金額は落ちてしまうものなのでしょうか?

心理的瑕疵の度合いは、買い手の受け止め方や感受性により差が出てきます。

死因によって変わってくるので一概に言えることではありませんが、ケース別に解説していきます。

(1)自殺の場合の相場価格

自殺が起きた事故物件の場合、相場価格価格から2~3割前後値引きした金額での売却になります。

自殺の場合、発見が遅れると遺体の体液などで部屋の損傷が進んでしまうこともあります。

そういった場合には、特殊清掃を入れてクリーニングをすることが必須になってきます。

特殊清掃とは、自殺や他殺等、事故物件の現場で遺体の痕跡を取り除き、原状回復する清掃作業のことを言います。

特殊清掃は安い場合は10万円程度の価格で済みますが、発見が遅れるなどで損傷が進んでいる場合はもっと多くかかることもあります。

自殺の場合は、値下がり2~3割に加えて、特殊清掃の分の費用もかかることを押さえておきましょう。

(2)他殺の場合の相場価格

他殺が起きた事故物件の場合、相場価格から3~5割前後も値引きした金額での売却になることが多いです。

他殺の場合かなリ事件性が強く、自殺の場合よりも売却金額は下がってしまいます。

基本的に他殺の場合は警察沙汰になるため、近隣住民の記憶にまで残ることになるでしょう。

ニュースで報道されたりもする事を考えると、次にその家に住む人は現れづらいことは容易に想像できますよね。

心理的瑕疵も大きくなり、売却時の価格は相場よりもかなり下落してしまいます。

他殺の場合は自殺と同じく特殊清掃の必要もあり、相場価格より半額程度での売却になることは覚悟しなければなりません。

(3)自然死の場合の相場価格

自然死が起きた事故物件の場合、相場価格から1~2割前後値引きした金額での売却になることが多いです。

自然死には、病死・老死・孤独死・突然死などが含まれます。

家族に看取られながら死亡した場合や、入院していて病院で死亡した場合は、そこまで相場からの下落はないことが多いです。

また、近年問題になっている孤独死に関しては、特殊清掃を入れてクリーニングを行えば、そこまで価格は落ちない傾向にあります。

ただ、発見にいたるまでの時間にもよります。

発見が遅れ、すでに遺体の腐敗が進んでしまっていた李、異臭を放っていたりすると事故物件と同様に相場よりも価格が落ちることがあります。

自然死の場合もその時々の状況によって価格は変わりますが、相場から1~2割程度の売却になるでしょう。

2.事故物件を売却するための4つの施策

ここまで見てきたように、やはり事故物件の価格は相場よりも落ちてしまうのは致し方ありません。

物件を長期で保有する以上は、事故物件が出てしまうリスクはつきものです。

しかし、自殺や他殺が起きた物件は「持ち続けるよりは早く売却したい」という方も多いのではないでしょうか?

いくら売却価格が落ちるとはいえ、なるべく早く、なるべく高く、スムーズに売却したいですよね。

そこで、事故物件の対処法として挙げられる施策を4つご紹介します。

施策1.事故物件の専門業者にみてもらう

不動産会社の中には、事故物件を専門に取り扱う業者も存在しています。

事故物件を専門に扱っているということで、事故物件売却時のノウハウやトラブルにならない方法についても他社にはないノウハウが蓄積していると考えられます。

例えば、横浜の不動産会社である「成仏不動産」

「事故物件」から「成仏物件」へ 「嫌われる物件」から「選択する物件」へ
という言葉をコンセプトに、事故物件を7種類に区分して取り扱っています。

事故物件になってしまう物件は、不動産の価値自体は高いものが多く、心理的側面を除けば、品質の割に安くなっていると捉えることもできますよね。

「事故物件」と聞くとマイナスのイメージですが、「成仏物件」と聞くと、イメージはそこまで悪くないと思いませんか?

その物件で亡くなった方の「成仏」という意味と、新たな顧客が見つかる、「物件としての成仏」という意味の二つが込められているそうです。

ただ売却するのではなく、仲介も行っているので、「まだ事故物件を売るか迷っている」という方は相談してはいかがでしょう。

→成仏不動産で事故物件を売す相談をする

施策2.買取サービスを使う

事故物件をなるべく早くスムーズに売りたいという方は、買取サービスを検討するものも選択肢の一つです。

事故物件や訳アリ物件、再建築不可の物件などを専門的に買取を行っている「事故物件買取センター」という業者があります。

買取サービスは、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

仲介で買い手が見つかるまで探してもらうのに比べると、会社が査定してすぐに買い取ってくれるので売却をスムーズに行うことができます。

ただ、事故物件の相場よりも売却価格がさらに1~2割ほど下がってしまう点はデメリットです。

「一刻も早く売却してしまいたい」
という方には、買取サービスを検討してみるのがおすすめです。

事故物件を専門に取り扱う買取サービスもあるので、まずは査定してみてはいかがでしょうか?

→事故物件買取センターにメールで無料査定を依頼する

施策3.あえて期間をあけてから売却する

「価格を下げてもなかなか売れない」
「これ以上値段を下げるのは金銭的に厳しい…」

といった場合、あえて期間を空けてから売却を再度検討するというのも選択肢の1つです。

時間を置くことで、心理的瑕疵をやわらげることができるからです。

事件発生から7年程度が1つの目安になるといわれてはいます。

しかし、もちろん事故物件だという事実が変わることはありません

「半年前に亡くなられた方が住んでいた物件です。」
と言われるのと
「亡くなられた方が住んでおられたのですが、もう3年前のことです。」
と言われるのでは、事故物件だと言われてもイメージは違ってきますよね。

心理的瑕疵はあくまでも「住みたくない」と思う気持ちの問題なので、時間を置くことでその気持ちを和らげることができれば売却できる可能性は高まります。

期間などに関しては、不動産会社と相談してアドバイスを受けるようにしましょう!

施策4.リフォームする・取り壊す

事故物件の多くは室内での事件や事故によるものです。

この施策は、部屋のリフォームを行って模様替えをする・新品にすることや、建物自体を取り壊してしまうことで、事故物件のイメージを薄くさせることが狙いです。

「事件や事故のあった建物がなくて、更地だったらそこまで問題ない。」
と考える人も一定数います。

こういった場合、建物をそのままの状態で売却するよりも、取り壊してしまって更地での売却する方が需要が高まります。

売却時の価格も、事故のあった建物のせいで値下がりしている分、更地にすると売却価格が上がる可能性があるのです。

あまりにも印象深い事件が屋内で発生してしまった場合などは選択肢として考えられてみてもいいのではないでしょうか?

しかし、仮に建物を取り壊した場合でも、事故物件としての告知義務は消えるわけではないのでその点は注意するようにしましょう。

3.【重要】事故物件を売却する上での3つの注意点

ここまでで、事故物件の売却するときの施策をご紹介してきました。

ここからは、事故物件を売却するとなったときに、特に注意しなければならない点を3つ挙げてお伝えします。

注意点を把握せずに売却してしまうと、あとあと痛い目に遭ってしまいかねません。

  1. 事故物件ということを隠してはいけない
  2. 特殊清掃は必須
  3. 不動産会社任せが最も危険

事前に注意点を把握し、安心して売却できる状態を整えておきましょう。

注意点1.事故物件ということを隠してはいけない

事故物件になってしまった家を売却する場合、告知義務が発生します。

もしも事故物件であることを隠して売却して場合、告知義務違反として契約の解除や損害賠償請求を求められるリスクがあります。

仮に建物を取り壊し、更地に戻しても、事故物件があったという事実は伝えなければ責任を問われかねません。

裁判所の判例では、50年前の猟奇的事件を売主が告知せずに売却したとして、買主から責任を追及されたケースも存在します。

ポイントはやはり心理的瑕疵になってきます。

心理的瑕疵は、抽象的な概念で人それぞれ感じ方が違う部分です。

「もう時間もたったし誰も覚えていないだろう」
と自分では思っても、別の人からすると事件のイメージが鮮明に残っていると言うことも往々にしてあります。

そのため、いくら昔の出来事であったとしても、売却の際に告知義務だけは忘れないようにしてください。

注意点2.特殊清掃は必須

事故物件になってしまったら、特殊清掃を入れることは必須です。

亡くなった方の発見が遅れたりする場合、遺体が長期にわたって放置されてしまいます。

そうなると、遺体の体液で床や壁が大きく損傷してしまうため、通常のハウスクリーニングでは対応できないのです。

売却を考えているのならなおさら、次の入居者の気持ちを考えるとそのままの部屋に住みたいという人はいないですよね。

また、安易に部屋に入ってしまうと感染症のリスクもあります

遺品の整理含め、自分自身の判断で行わず、特殊清掃を依頼するようにしましょう。

特殊清掃とは?

特殊清掃は、特殊清掃員と呼ばれる専門的な知識を持った清掃員が行います。

室内の除菌・消臭と遺品整理、場合によってはリフォームも行うこともあるのが特殊清掃の特徴です。

特殊清掃の価格は、3万円~が相場となっています。

通常のクリーニングよりは値段が高くなってしまいますが、事故物件を放置してしまうとさらに損傷が進み費用がかさむ可能性も高いです。

事故物件になってしまったらなるべく早いタイミングで依頼するようにしましょう。

注意点3.不動産会社任せが最も危険

不動産会社に事故物件の取り扱いをすべて丸投げで任せてしまうのはリスクが高いです。

特に、事故物件の告知義務の部分です。

不動産会社側としての物件調査・説明義務としては、7年前後が目安とされています。

そのため、それ以前の調査をする義務はありません。

なので、7年以前の事故や事件についての説明義務が果たされずに売却が決まった場合、あとあと売主としての責任を問われてトラブルになる可能性があります。

不動産仲介業者はあくまで媒介業務がメインです。

そのため、引き渡し後は原則当事者同士での解決になってしまうので、不動産会社に丸投げは禁物です。

オーナーとしての責任をもち、入居者に説明が行き届いているかの確認を怠らないようにしましょう!

4.事故物件に関するQ&A

最後に、事故物件に関するよくある疑問にお答えしていきます。

一般的な仲介と異なり、事故物件にまつわる疑問は生まれやすいものです。

あなたの状況と照らし合わせ、ベストな解決策を見つけていきましょう!。

Q1.人が亡くなっていない場合事故物件になることはありますか?

A1.ありません。その物件で人が亡くなった場合に事故物件と言われます。

事故物件の定義によると、”事件や事故で人が亡くなった物件”です。

そのため、人が亡くなっていない事件の場合は事故物件にはあてはまりません。

しかし、物件自体の欠陥も「物理的瑕と呼び、事故物件として扱われます。

心理的瑕疵と同様に売主には告知義務が生じます。

例えば、雨漏りやシロアリ被害、地盤沈下などです。

築年数が経過した物件だと、経年劣化に加えてこのような物理的瑕疵に分類されるものが後々発覚してしまう場合も少なくありません。

ただ物理的瑕疵の場合も、事前に告知をし、買主が納得して契約に至った場合は免責となります。

築年数が数十年にわたる物件を売却するときは、ホームインスペクション(物件の劣化状況等を調べる)の依頼を検討しましょう。

Q2.事故物件を更地にするのに費用はどのくらいかかりますか?

A2.家の構造と坪数によりますが、1件やだと最低でも100万円~は見ておきましょう。

建物の解体では、家の構造×坪数によって解体費用が変わってきます。

あくまで参考ですが、以下に解体費用の相場をご紹介します。

家の構造\坪数 30坪程度 50坪程度 80坪程度
木造 100~150万円 180~250万円 200~300万円
鉄骨造 150~200万円 200~300万円 300~500万円
RC造 180~300万円 250~400万円 500~800万円

この価格は解体費用だけの価格なので、別途廃材の処理のかかる費用も必要になる場合があります。

更地にしても売れる確証はないので、どれだけ需要があるのかを不動産会社などと相談し、熟考したうえで決断するようにしてください。

Q3.事故物件を更地にしたのに売れなかった場合、どうしたらいいですか?

A3.駐車場やコインパーキングで運用する。

せっかく多額の費用をかけて解体しても、買い手がつかない可能性だって考えれます。

その場合は、月極駐車場やコインパーキングなどにして運用するのが有効な方法です。

事故物件としての印象がすぐには払拭できないので、駐車場の賃貸運用で収入を得つつ、土地の価格が上昇するのを待ちましょう。

まとめ

事故物件は、転勤辞令や税務署と同じくらい突然にやってきます。

家を人に貸すと人が亡くなるリスクが同時に伴うと分かっていれど、いざ本当に事故物件になるまでは、現実味を帯びた思考はできないものです。

本記事でお伝えした事故物件を売却するときのポイントをまとめると、

  1. 売却相場より下がることは覚悟しなければならない
  2. 告知義務を怠ってはいけない
  3. 期間を置くか専門業者を利用するのも一つの手

です。

事前準備するのは難しいことなので、起きてしまったことは仕方ないと割り切り、迅速に解決策を決めて行動していくのが吉です。

本記事があなたのお役に立てば幸いです。

それではまた別の記事でお会いしましょう。