「転勤が決まったので、持ち家を売却するか賃貸に出すか迷っている」
「転勤前に早く売却するにはどうすればいい？」
など、転勤が決まり持ち家をどうするか扱いに困っている方は多いでしょう。
売却か賃貸どちらにするかで、今後の進め方は大きく変わります。
結論から言えば、転勤が決まった際は売却がおすすめです。
賃貸だと、空室時に2軒分の維持費を支払うことになるため、リスクが大きすぎます。
しかし、売却するコツや方法を知らなければ、早く売ることは難しいでしょう。
本記事では、売却の流れやコツ、体験談に加え、買取の方法も紹介しています。
この記事を読むことで、持ち家を早期売却できるようになるでしょう。
ぜひ、ご覧ください。
転勤時に持ち家を売却する流れ
まずは、転勤時に持ち家を売却する流れを紹介します。
売却の流れを把握していないと、適切な準備や資金計画ができないだけでなく、絶好の売却チャンスを逃してしまうでしょう。
以下は、転勤時に持ち家を売却する流れです。
- 住宅ローンの残りを確認する
- 転勤前に不動産を一括査定する
- 不動産会社と「専任媒介契約」を結ぶ
- 転居する
- 売却交渉を行う
- マンションを売却する
それぞれの内容について、確認していきましょう。
流れ１.住宅ローンの残りを確認する
転勤時に持ち家を売却する際は、まず住宅ローンの残りを確認しましょう。
住宅ローン残高がどれくらいあるかで、今後の進め方が変わってくるためです。
持ち家を売却する際は、住宅ローン残高を一括返済しなくてはいけません。
なぜなら、住宅ローンを利用する際に、金融機関が抵当権を設定しているためです。
そのため、ローン残高を一括返済して抵当権を抹消しないと、持ち家を手放すことはできません。
住宅ローン残高は、売却代金で返済するのが一般的です。
- 売却代金がローン残高を上回る：売却代金で返済可能
- 売却代金がローン残高を下回る：売却代金以外の資産充当が必要
となるため、住宅ローン残高によって、資金計画や売却の可否が決まってきます。
住宅ローン残高は、金融機関で確認することが可能です。
持ち家の売却を考えたら、まずは住宅ローン残高を調べてください。
※抵当権とは…万が一、ローン返済ができなくなった場合に担保に取る権利のこと
流れ２.転勤前に不動産を一括査定する
転勤前に持ち家の一括査定をしましょう。
一括査定をすれば、複数業者の査定金額から売却相場を掴むことができます。
査定金額がわからないことには、住宅ローン残高を返済できるか見当がつきません。
また、複数業者と話ができるため、業者探しにも役立ちます。
査定金額が高く、実績が豊富で担当者も信頼できる不動産会社を選べば、転勤時の持ち家の売却に成功する可能性は高いです。
業者によって、顧客数や対応力、プロモーション方法などが異なるため、優秀な業者であれば、他社より100万円以上高く売ることもできます。
一括査定サイトは無料で、パソコンやスマホから手軽に利用できるため、積極的に活用しましょう。
両社とも実績が豊富で、親身に対応してくれることで人気を誇っています。
流れ３.不動産会社と「専任媒介契約」を結ぶ
売却を依頼する不動産会社を決めたら、専任媒介契約を結びます。
専任媒介契約とは、1社との独占契約な上、売主が見つけた相手とも直接取引ができる契約です。
複数業者と契約をする一般媒介だと、どの業者が売るかわからないため、各社とも売却活動に力を入れることができません。
専任媒介であれば、他社に売られて広告費や人件費が無駄にならないため、業者は力を入れて売却活動ができます。
以下は、3つの媒介契約の主な特徴です。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
| 2社以上との契約 | できる | できない | できない |
| 売主が探した買主との直接取引 | できる | できる | できない |
| 業者の活動報告 | 任意 | 義務 2週間に1回以上 |
義務 1週間に1回以上 |
| レインズへの 登録義務 |
任意 | 義務 契約日から7日以内 |
義務 契約日から5日以内 |
| 契約期間 | 定めなし （行政指導では3ヶ月以内） |
3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
流れ４.転居する
転勤後の新しい住まいへ転居します。
引っ越し業者によって費用が異なるため、業者比較をして少しでも節約をしましょう。
引っ越し費用相場や業者比較は「引越し侍」というサイトを参考にしてください。
流れ５.売却交渉を行う
購入を検討している人が現れたら、交渉へと進みます。
中古市場では、値切り交渉があることを想定しておくことが大事です。
交渉を受けても困らないように、あらかじめ値下げ分を上乗せした価格で売るようにしましょう。
不動産会社の担当者とも、事前に値下げの許容範囲を共有しておいてください。
流れ６.マンションを売却する
交渉後、問題がなければ売買契約を結び、持ち家のマンションを売却します。
契約後、物件の引き渡しが終われば、売買完了です。
引き渡しの際は、次の書類が必要になるため、早いタイミングで用意をしておきましょう。
- 本人確認書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票 など
住宅ローン残高よりも売却代金が多い場合は、まとまったお金を手にすることができます。
引き渡し後は、マンションに入ることはできませんので注意してください。
転勤前に家を売却する３つのコツ
転勤前に持ち家を売却したい場合は、ここで紹介するコツを押さえておきましょう。
これらのコツを押さえていれば、1ヶ月以上早く売却できたり、100万円以上高く売ることが可能です。
以下は、転勤前に家を売却する3つのコツになります。
- 内覧会を積極的に行う
- 一括査定で相見積もりをとる
- 住宅ローンは清算しておく
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
コツ１.内覧会を積極的に行う
転勤前に持ち家を売却するコツの1つが、内覧会を積極的に行うことです。
内覧に多くの人に参加をしてもらえば、売却できる可能性が高くなります。
買主は、内覧で室内の隅々までチェックをして、良い印象を持つと購入へと進みやすいからです。
積極的に内覧会を行えば、買主が「予定が合わない」という理由で参加を諦めることを回避できます。
早く売りたいのであれば、平日・土日の昼間・夜間と内覧会を実施して、時間を有効活用しましょう。
また、内覧会を積極的に行うだけでなく、良い印象を持ってもらうための準備も大切になります。
具体的には、次のような準備です。
- ハウスクリーニングでキレイにする
- モデルルームのように魅力的な空間をつくる
- 内覧前に換気や温度調節をする
- ニオイ対策をする
- 質問が出そうな内容の回答を用意しておく
良い条件で持ち家を売却したいのであれば、内覧に力を入れましょう。
コツ２.一括査定で相見積もりをとる
一括査定で相見積もりをとることも、転勤前に持ち家を売るためのポイントになります。
査定金額の比較に加えて、優秀な不動産会社を探すことができるからです。
不動産会社によって査定基準が異なるため、同じ物件でも査定金額に100万円以上の差が出ます。
少しでも査定金額が高い業者を選べば、高値で売却することが可能です。
また、実績などをもとに業者比較をすれば、優秀な業者を見つけることができ、早期売却が期待できます。
一括査定サイトは、パソコンだけでなくスマホでも使うことができ、利用料は無料です。
一括査定をすれば、査定金額が高く、良い業者と出会える可能性があります。
積極的に活用をして、高く早く売却できるようにしましょう。
コツ３.住宅ローンは清算しておく
転勤前に持ち家を売却したい場合は、住宅ローンを清算しておきましょう。
売却代金や自己資金を使って住宅ローン残高を返済しないと、持ち家を売却することができません。
住宅ローンを清算する主な方法は、次の3通りです。
- 自己資金で清算
- 自己資金と売却代金で清算
- 住み替えローンで清算
住宅ローン残高が少ない、もしくは預貯金等に余裕がある場合は、自己資金のみで清算が可能です。
この場合、売却代金の大部分が手元に入ってきます。
自己資金または売却代金だけでは完済が難しい時は、両方の資金を合わせるのも1つの方法です。
転勤先で家を購入する場合は、住み替えローンを利用して清算することもできます。
住み替えローンであれば、住宅ローン残高と新居のローンをまとめて借りられるため、自己資金を捻出する必要がありません。
持ち家の売却を成功させるためにも、どの方法でローンを清算するのか考えておきましょう。
転勤時に持ち家を売却か賃貸か選ぶ基準
転勤時に持ち家を売却か賃貸か選ぶ際は、「転勤期間の長さと明確さ」を基準にしましょう。
転勤期間が短い、もしくは「2年で確実に戻ってくる」など期間が明確な場合は賃貸を選びます。
一定期間の間、賃貸に出して、家賃収入で住宅ローンを支払っていくのです。
期間が短ければ、仮に空室が発生しても、大きなダメージは免れます。
転勤期間が明確な場合は、契約期間に定めがある定期借家契約にすれば安心です。
転勤から戻ってきた時に、住み慣れた家で再び生活ができるのは賃貸のメリットと言えます。
一方で、転勤期間が長い、または期間が明確でない場合は売却がおすすめです。
たとえば、転勤期間が10年だとしたら、その間賃貸に出し続けるのはリスクがあります。
空室が長期間発生すれば、2軒分の住居費を維持することは困難でしょう。
また、いつ戻ってくるかわからない状態で、ローンを抱えておくのも危険です。
売却でまとまったお金を手にして、新居を購入した方がいいでしょう。
このように、転勤時に売却か賃貸か選ぶ際は、転勤期間の長さと明確さを基準にするのがおすすめです。
転勤時に家を売却した人のリアルな体験談
体験談からは、さまざまなことを学べます。
転勤時に家を売却した人のリアルな体験談を知ることで、早期売却のヒントを得ることができるでしょう。
また、賃貸で失敗した人の体験談からは、賃貸に出すリスクを教えてもらえます。
リアルな体験談を参考にしてください。
賃貸で失敗した人の体験談
転勤時に家を賃貸に出して失敗した人の体験談は少なくありません。
主な内容には、次のようなものがあります。
- 「賃貸に出したが、借り手が見つからず、2軒分の費用を支払い続けている」
- 「売却したいので入居者が退去するのを待っている。しかし、退去する雰囲気がなく、売却相場が下がっていて困っている」
- 「家賃収入がローン返済額を下回り、賃貸を続けるだけ赤字が増える状態」
- 「1人目の入居者が出てすぐに修繕・リフォームが必要になり、100万円以上かかった」
- 「入居者がトラブルを起こし、物件価値にも影響がありそうだ」
WEBやSNS上にも、たくさんの賃貸で失敗した人の体験談がアップされています。
賃貸は、物件に魅力がないと借り手が見つかりづらく、高い家賃収入も見込めません。
空室リスクや修繕リスク、災害リスクなどがあり、突発的な支出も発生しやすいため、採算を取ることは難しいものです。
元々、賃貸を目的とした投資用物件ではないため、利回りも高くありません。
もし、転勤で賃貸に出す場合は、綿密なシミュレーションを行った方がいいでしょう。
早期の売却で成功した人の体験談
早期の売却に成功した人の体験談も多いです。
具体的には次のようなものがあります。
- 「良い不動産会社に依頼できたこともあり、すぐに買い手が見つかった」
- 「家族全員で協力をして内覧対応をしたら売却できた」
- 「相場より安い価格にしたら、1ヶ月もかからずに売れた」
- 「ハウスクリーニングで綺麗にして、ホームステージングでモデルルームのようにしたら、問い合わせが多く入って1ヶ月で売れた」
など、他にも早期売却に成功した人の体験談はたくさんあります。
早期売却のポイントとして目立つのは以下3点です。
- 良い業者に依頼する
- 内覧に力を入れる
- 相場より安く売る
体験談からもわかるように、準備や工夫をきちんとすれば、早期売却は実現できます。
転勤時の持ち家売却は難しい！一度専門家に相談してみよう
転勤時の持ち家売却は、決して簡単ではありません。
魅力的な物件であればいいですが、そうでない場合は売却に時間がかかります。
買い手が見つかるまでの間は、ローンや維持費の支払いが続くため経済的負担も大きいです。
満足のいく結果を求めたいのであれば、まずは専門家に相談することをおすすめします。
プロに相談をすれば、売主の事情や中古市場、物件情報などを考慮して、最良の進め方をアドバイスしてくれるためです。
一度専門家に相談をして、今後の進め方を決めるようにしましょう。
抱えている疑問や不安も払拭できますよ。
持ち家をとにかく早く手放したい人に「買取」がおすすめ
「仲介だと売却に時間がかかる…。もっと早く売りたい！」という人におすすめしたいのが「買取」です。
買取であれば、数日で売却ができ、1週間以内にお金を手にすることができます。
スピードを重視するのであれば、これほど魅力的な売却方法はありません。
ここでは、買取のメリット・デメリットについて紹介していきます。
買取を使うメリットは「確実に早く売れること」
買取であれば、持ち家を確実に早く売ることができます。
買取金額に合意できれば、業者がすぐに買い取ってくれるためです。
1週間以内に、買取手続きがすべて終わる業者も少なくありません。
仲介の場合は、売却できるまでに3ヶ月〜6ヶ月以上はかかると言われています。
買取であれば、スピーディーに現金化することが可能です。
また、リフォームやハウスクリーニングをする必要もないため、コストを抑えることもできます。
確実に早く売りたい場合は、買取がおすすめです。
買取を使うデメリットは「安く買われること」
買取は、仲介よりも2割〜3割安く買われることがデメリットです。
すぐに買い取ってもらえますが、手取り額は仲介より減ることになります。
仮に、仲介だと2,000万円で売れる家が、買取だと1,400万円〜1,600万円程度です。
金額が大きいため、数百万円変わってきます。
ただし、買取だとすぐに家を手放せるため、管理費や固定資産税などの維持費やローンを支払い続けることはありません。
買取は、仲介より安く買われることを覚えておきましょう。
まとめ
本記事では、売却の流れやコツ、体験談に加え、買取の方法も紹介いたしました。
あらためて、ここで紹介した大事なポイントをまとめると、次の3点になります。
- 転勤前に売却したいなら、良い業者に依頼して内覧に力を入れること
- 売却か賃貸かは「転勤期間の長さと明確さ」を基準にする
- すぐに売却したいなら仲介ではなく「買取」を利用する
転勤が決まって持ち家の扱いに困っている方は、ここで紹介した内容を参考にしてください。
早速、売却か賃貸かを決めて、進めていきましょう。
