連帯保証人はお金や物件を借りる際に必要となる保証人のことです。
ほとんどの場合では親や友人が連帯保証人になります。
ですが、実際に連帯保証人が必要になったときは気になる点がいくつもありますよね。
「連帯保証人になってくれる人はいるのか」「連帯保証人が必ず必要なのか」など、事前に知っておきたいポイントが出てくると思います。
そこで本記事では、連帯保証人についての疑問を解消するために連帯保証人を誰に頼むべきなのかや、条件や必要書類について詳しくまとめました。
この記事を読めば連帯保証人についてわからないことが無くなり、賃貸物件を借りるときにスムーズに手続きが行えます。
「連帯保証人が見つからない」といったお悩みにも丁寧に解説してありますので、ぜひチェックしてみてください。
連帯保証人について
そもそも連帯保証人とはなんなのか気になりますよね。
まずは、連帯保証人についての基本的なことをおさえていきましょう。
連帯保証人とは
連帯保証人とは、何らかの問題が発生した際に本人に代わって支払いをする人のことを言います。
たとえば借主が家賃を支払わなかったり、設備を壊してしまったものの弁償できない場合などです。
民法で「連帯保証人制度」が定められており、法的な効力があります。
つまり、連帯保証人となった人は法的に借主と同じ責任を負うことになるのです。
連帯保証人は賃貸を借りるのに絶対必要?
賃貸を借りるためには連帯保証人を立てるか、保証会社に依頼する必要があります。
連帯保証人が必ず必要ではないので、注意してください。
賃貸物件を借りる場合は、どちらかが必要だと覚えておきましょう。
連帯保証人になったときの3つのデメリット
連帯保証人には大きく3つのデメリットがあります。
実際に利用するのであれば「これだけは知っておいて欲しい」デメリットなので、よく確認しておいてください。
連帯保証人になった際のデメリットは以下の3点です。
デメリット1.借主と同等の責任を負う
デメリット2.自己破産をされると一括返済が必要になる
デメリット3.金銭トラブルで疎遠になる
順番に詳しく解説していきますね。
デメリット1.借主と同等の責任を負う
連帯保証人は借主と同等の責任を負うことになります。
借主が支払いできなくなった場合、例として以下の費用が必要です。
- 借主が滞納した全ての家賃
- 修繕費
- 原状回復費用など
本来であれば借主が支払うべき金額を、全て連帯保証人が支払います。
正直に言ってしまうと、自分が住んでいたわけでもない家賃や壊してしまったクロス、傷の修繕費を払うのは嫌ですよね。
中途半端な関係だと、連帯保証人になることで付き合いに支障が出ます。
深い信頼がなければ、連帯保証人になることは避けましょう。
お互いに大きなストレスを抱えてしまいます。
デメリット2.自己破産されると自分で一括返済しないといけない
借主が自己破産をした場合、借主の借金を連帯保証人が一括で支払わないといけません。
これが連帯保証人になる2つ目のデメリットです。
自己破産をするほどの負債となれば、一括返済はかなり厳しい支払いになるでしょう。
連帯保証人になるのであれば、こまめに連絡を取り合い、近況を把握しておくことをおすすめします。
デメリット3.金銭トラブルで疎遠になる
連帯保証人になることで金銭トラブルが起こり、疎遠になる可能性もあります。
連帯保証人になってもただ名前を貸すだけで、何もなければ問題はありません。
ただ、中には支払い能力を失い、連帯保証人が支払うことになるケースもしばしば。
高額になればなるほど金銭トラブルに発展し、修復不可能なほど疎遠になってしまうこともあります。
【4パターン】連帯保証人は誰に頼むべきかを解説
連帯保証人を頼むなら以下の4パターンが考えられます。
- 親
- 兄弟
- 友人
- 連帯保証会社
頼まれる側も、あなたとそれ相応の信頼関係がないと引き受けてくれない可能性もあります。
その点を踏まえて、どんな相手に連帯保証人をお願いするべきなのか考えていきましょう。
パターン1.両親
まず第一に考えられるのはあなたの両親です。
一番頼れる間柄と言って頭に浮かぶのは両親という方も多いはず。
ただし、両親に連帯保証人を頼めるかは以下の点に左右されます。
- 定職についているか
- 支払い能力が認められないほど高齢ではないか
定年退職をした方の場合、安定した収入がないと連帯保証人になれないケースもあるため注意が必要です。
パターン2.兄弟
続いては兄弟です。
兄弟であれば年齢の問題がないことが多いです。
また、社会人として定職についていれば連帯保証人としての信頼も生まれます。
上記の理由から、可能であればご兄弟に連帯保証人になってもらうパターンが最も確実です。
パターン3.友人
友人に連帯保証人になってもらうケースもあります。
しかし、友人を連帯保証人に立ててOKかどうかは物件によってバラバラです。
その上連帯保証人にはリスクが伴います。
こころよく引き受けてくれる人はなかなか見つからないもの。
最初から友人をあてにしないようにしましょう。
もしもお願いするのであれば、迷惑をかけないよう最大限の注意が必要です。
パターン4.連帯保証会社
「保証人になってくれる人が見つからない…」
そんな場合は連帯保証会社を利用しましょう。
契約をすると、連帯保証人と同じ役割を果たしてくれます。
家賃の支払いが遅れた時に、一時的に家賃の支払いを代行してくれるのも連帯保証会社の特徴です。
気になる費用ですが、家賃の2割から10割を初回保証料として契約時に納めます。
家賃が10万円の部屋なら5万円程度の支払いが相場です。
連帯保証会社のメリットをまとめると以下の3点。
- 身近な人にリスクがない
- 連帯保証人を探さなくていい
- 家賃の支払いを一時的に代行してくれる
加えて、最近は連帯保証会社の契約を入居条件にしている物件もあります。
選択肢の一つとして、保証会社の利用を頭にいれておきましょう。
連帯保証人が満たすべき3つの条件
連帯保証人について解説しましたが、具体的にどのような条件を満たした人が連帯保証人になれるのか分かりにくい点もあったかもしれません。
そこで、ここからは「連帯保証人になるために満たしているべき条件」を3つ紹介していきます!
条件1.安定した収入がある
条件2.年金受給でも資産があれば可能
条件3.国内に住んでいる
次に一つずつ見ていきましょう。
条件1.安定した収入がある
連帯保証人の条件その1は、安定した収入があることです。
借主が家賃を滞納した場合、代わりに連帯保証人が支払い義務を負います。
そのため、連帯保証人は「家賃を支払う能力がある人」でなければいけません。
年齢の高低や定職に就いているかが査定に影響します。
条件2.年金受給でも資産があれば可能
年金生活であっても、安定した不動産所得や資産がある場合は連帯保証人として認められる可能性があります。
年金は差し押さえの対象になりませんが、それ以外の不動産所得や貯蓄があれば、家賃の支払いを確保できます。
また、土地や持ち家なども差し押さえの対象となるので、資産の有無も重要なポイントです。
年金受給者であっても差し押さえができる資産があれば問題ありません。
条件3.国内に住んでいる
連帯保証人は国内に住んでいることを求められます。
借主と貸主に何かトラブルが発生したとき、連帯保証人が間に入らなければいけません。
国外に住んでいて駆けつけられないとなれば、連帯保証人として認めてもらえないことが多いです。
そのため、借りたい物件と連帯保証人の住居が離れているほど認められないリスクが高まります。
可能な限り近場に住む方に連帯保証人になってもらいましょう。
具体的には、関東・近畿・九州、などのくくりで同じ地域に住んでいる方なら問題ありません。
連帯保証人に必要な書類
連帯保証人について説明してきましたが、ただ人が見つかればいい訳ではありません。
連帯保証人をたてるときは、4つの書類が必要になります。
書類1.賃貸契約書に署名・捺印
書類2.収入証明
書類3.住民票
書類4.印鑑証明
身近な人が連帯保証人を承諾してくれたときは、速やかに書類集めに取りかかりましょう。
書類1.賃貸契約書に署名・捺印
初めに、連帯保証人になる人に賃貸契約書に署名・捺印をしてもらいます。
直筆で署名・捺印となると早めに約束を取り付けることが大切。
何か不備があった場合、訂正印を押してもらうこともありますしね。
入居したい日が決まっているのであれば、できる限り早く署名・捺印を貰いに行くべきですよ。
書類2.収入証明
連帯保証人になる予定の人の収入証明が必要です。
収入証明書として以下のものがあれば問題ありません。
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 確定申告書
- 年金受給書
などです。
これらは、連帯保証人の支払能力を確認するために必要です。
源泉徴収票は年末に渡されるものですが、「捨ててしまった!」という場合は会社に再発行してもらえるので安心してください。
書類3.住民票
連帯保証人になる人は、住民票も揃えなければなりません。
トラブルが発生した場合に備えて管理会社が正確な住居を把握しておく必要があるからです。
住民票は市役所で取り寄せが可能ですので、余裕を持って取りにいってもらいましょう。
書類4.印鑑証明
同じく身分を証明するものとして、印鑑証明も必要になります。
先ほど直筆で署名・捺印するとお話ししましたが、この捺印は印鑑証明と同じ印鑑を使わなければいけません。
シャチハタのような簡易的な印鑑では審査が通りません。
注意が必要です。
【3STEPでわかる】連帯保証人が死亡した場合の手続き
「連帯保証人が亡くなってしまったらどうしたらいい?」と気になる人のために、連帯保証人が亡くなった時の手続きを以下の3STEPで紹介していきます。
STEP1.死亡した旨を管理会社に報告
まずは管理会社に連絡を取り死亡した旨を報告します。
出来るだけ日にちが空かないように連絡をしましょう。
あまりに死亡した時期と報告した期間が空いてしまうと信用が無くなってしまいます。
貸主へ「大事なことなのに連絡が遅いな。ずいぶん適当な人だ」という印象を与えてしまいますので注意してくださいね。
STEP2.別の連帯保証人を立てる
管理会社に報告を済ませたら、別の連帯保証人を立てます。
連帯保証人が病気や高齢だった場合、生前から「別の連帯保証人は誰にお願いしようか」とあらかじめ考えておいた方がスムーズです。
連帯保証人が不在の状況が短く済むように、前もって手配しておきましょう。
STEP3.頼める人がいなければ保証会社へ
新しく連帯保証人を頼めそうな人がいない場合は、保証会社の利用を検討しましょう。
親族や友人で頼める人がいないのであればおすすめです。
金銭トラブルの元となりがちな「連帯保証人」を避けて、最初から保証会社を利用する人もいます。
【番外編】代わりを探さなかった場合はどうなる?
連帯保証人が死亡したにも関わらず、「代わりを探さなかった場合はどうなるのか?」気になりますよね。
連帯保証人を立てない場合の、管理会社の代表的な対応としては以下の2つです。
- 連帯保証人の相続人を連帯保証人にする
- 借主の資産を担保として預かる
1つ目は連帯保証人の相続人を連帯保証人にすることです。
代わりの連帯保証人がいない場合は、死亡した人の相続人にあたる人がその責任を負うことがあります。
2つ目に、代わりに資産を担保として預けるやり方もあります。
資産とは、持っている土地や建物のことを指します。
それらを担保とし、支払い不能になった時に土地や建物を売却して未納金分をまかなうのです。
まとめ
本記事では連帯保証人の立て方や、デメリットを紹介してきました。
以下は、この記事で重要な4つのポイントのまとめです。
- 賃貸物件を借りる際には必ず連帯保証人を立てる必要があり、親族や友人に頼むか保証会社を利用する。
- 連帯保証人には収入証明や住民票・印鑑証明と必要書類がいくつかあるため、お願いするときにその旨も伝えておくとスムーズに手続きを進められる。
- 連帯保証人になることは金銭トラブルのリスクやデメリットがあると覚えておこう。
- 連帯保証人が死亡したら、すぐに新しい連帯保証人を探す必要がある。
この記事を参考に、納得のいく連帯保証人探しをしていきましょう。