仕事で転勤をする時、進学でご実家を離れる時、ご近所トラブルで引っ越しをする時…
賃貸アパートや賃貸マンションに入居する際気になるのが家賃。
「部屋は気に入ったけど家賃が高い!」「もう少し家賃が安いだけでもすごく助かる…」
そう思うことってありますよね。
とは言え家賃交渉は一体どのくらいが相場なのか、タイミングとしていつが最適なのか、そもそも家賃交渉は失礼なのでは…と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは家賃交渉の相場や適切なタイミング、家賃交渉を成功させるコツなどをお話していきます。
これから引っ越しを考えている方は、ぜひご活用くださいね。
1.家賃交渉の相場はいくら?
まず家賃交渉の相場についてお話していきます。
新社会人など引っ越しに慣れていない方にとっては「そもそも家賃交渉はしても良いの?」「どのくらいの確率で成功する?」「いくらくらいが相場?」と疑問が次々と浮かんでくるでしょう。
まずはその疑問を1つずつ解決していきますね。
1.家賃交渉はしてもOK!
まず家賃交渉はしても良い行為なのでしょうか?
答えから言ってしまうと問題ありません。
ホームズやSUUMOなどの仲介業者の方も「家賃交渉してくる」人がいることは想定内ですし、誰しもより安く部屋を借りれればラッキーだと思いますよね。
仲介業者としても1つでも契約を多くとりたいわけですから、仮に下がらなかったとしても家賃交渉は積極的に行ってくれますよ。
「家賃を値切るなんて恥ずかしい…」という思いはグッと我慢し、思い切って家賃交渉をしてみましょう。
2.家賃交渉成立は何%?
さて次に気になるのは「家賃交渉はどのくらいの確率で成功するのだろうか?」という疑問。
ずばり家賃交渉は、交渉した人の5%~15%が成功します。
意外と狭き門なのが現実です。
と言うのも、アパートやマンションであればすでに入居している人がいるわけですから、差額が発生してしまうと後々面倒くさいことが起こる可能性があるからです。
大家さんとしても満額支払ってもらえればその分収入になるわけですから、家賃交渉されたからと言って簡単にOKはしてくれないのです。
3.値引き率は家賃の3%が妥当
続いて悩むのは、家賃交渉をするのにいくら提示すれば良いかという点。
値引率は、家賃の金額の3%くらいが妥当と言われています。
例えば6万円の家賃なら2,000円、10万円の家賃なら3,000円ほどというわけです。
漠然と「家賃を安くしてください」というよりも、入居希望者から「〇〇円値下げして欲しい」と具体的な数字を提示してくれた方が交渉もスムーズです。
「3%…そんなものか~」と肩を落としたかもしれませんが、毎月の家賃が2,000円値下げしただけで、年間24,000円お得に入居できることになります。
そう考えると大きいですよね。
3%とという相場を大きく上回り、6万円の物件に対し5,000円の値引きを提示した場合「この入居者さんはあまり感じが良くない」という印象を与えてしまいます。
2.家賃交渉をするタイミング
家賃の交渉をしたいけど、いつ言い出したらいいのか迷ってしまいますよね。
入居前・入居中・更新時とその要所要所において、交渉するテクニックやポイントを頭に入れておくとスムーズに交渉できるでしょう。
タイミング1.入居前
タイミング2.入居後
タイミング3.更新時期
タイミング1.入居前
まず家賃交渉と聞いて一番に思い浮かぶタイミングは入居前です。
ここで交渉するのが一番自然で、成立もしやすいです。
また家賃交渉した際のリアクションを見ることで、どんな大家さんなのか知れるのもメリット。
家賃交渉した時あからさまに嫌な態度をとられたのなら、今後暮らしていく中で何かトラブルが起こっても対処してくれないのでは…と不安になるでしょう。
家賃交渉のテクニックとしては「他の物件と迷っている」「家賃がいくら下がったら即決しようと思う」と駆け引きをするのもアリ。
渋っている大家さんでも検討してもらえる可能性がアップするでしょう。
タイミング2.入居後
入居後に「やっぱり家賃が高いな…」と家賃交渉を考える人もいますよね。
家賃は毎月かかる出費なので、収入が減ってしまったりすると定額の家賃は大きな痛手になります。
ただし入居後の家賃交渉はなかなか難しいというのが本音。
しかし交渉する余地がゼロというわけではありません。
例えば新しいマンションが立ち、日当たりが悪くなったなど、入居後の問題点があれば交渉する材料になります。
積極的に交渉してみましょう。
タイミング3.更新時期
もう1つの家賃交渉のタイミングとしては更新時期。
賃貸アパートや賃貸マンションの場合、だいたい2年に1度更新時期がやってきます。
更新するにあたり、費用がかかるため引っ越しを考えている人はこの時期にしようと考えることもあります。
大家さんとしても入居者の方が無事更新してくれれば良いのですが、更新を機に出ていくとなれば収入減。
ですから家賃交渉のタイミングとしては更新時期も狙い目なんですね。
交渉するポイントは入居時と周辺環境の変化や物件の劣化などがある場合、そこを話題にしてみましょう。
近くにパチンコ屋ができてうるさくなったとか、外壁の塗装が剥がれみすぼらしくなった…などです。
3.家賃交渉を成功させる4つのコツ
家賃交渉成功は15%ほどの狭き門ですが、交渉を成功させるためにはコツがあります。
ただやみくもに「家賃を下げてください」とお願いするのはおすすめできません。
先ほどお話したように、大家さんにあまり良い印象を与えませんから。
交渉成立しやすくなるコツを押さえているかどうかで、成功率はぐっとアップしますよ。
以下は交渉を成功させるために押さえておきたい4つのコツです。
コツ1.仲介業者と仲良くなる
コツ2.交渉条件を見つける
コツ3.エリアの相場を知る
コツ4.申込書の空欄を作らない
コツ1.仲介業者と仲良くなる
まず大事なことは仲介業者と仲良くなっておくことです。
家賃交渉は入居者が大家さんに直接するわけではなく、仲介業者の方が代わって行ってくれます。
ですから仲介業者と仲良くなっておけば、「この人のために1000円でも家賃を安くしてあげたい!」と精力的に家賃交渉を行ってくれるでしょう。
コツ2.交渉条件を見つける
また、自ら交渉条件を見つけるのも家賃交渉に役立ちます。
例えば周りのアパートにはエレベーターや宅配ボックスがあるけれど、気になる物件にはその設備がないとすれば、家賃交渉する材料になります。
家賃交渉を仲介業者の方に丸投げするのではなく、自らもしっかり物件を見ることで仲介業者さんに本気度も伝わりますね。
コツ3.エリアの相場を知る
またエリアの相場を知ることも交渉成功へのコツです。
周りの物件で同じような間取り・広さ・設備などをピックアップし、それら物件の家賃はいくらなのかを調べます。
例えば近くに大学があって、単身者が多く住むエリアなら似ている物件も多いですよね。
相場を見て、気になる物件の家賃は妥当なのか、割高であれば交渉する余地が出てくるでしょう。
コツ4.申込書の空欄を作らない
「この部屋に入居する」と決めてから家賃交渉する場合、申込書の空欄を作らないのは絶対条件です。
申込書には名前や生年月日、勤め先や年収の他に、勤め先電話番号・勤め先資本金・勤め先従業員数などを記入する欄があります。
会社の資本金や従業員数などは意外と知らない…という方も多いのではないでしょうか。
空欄が目立ってしまうと「だらしない人なのかな?」と印象を持たれてしまいます。
家賃を下げて欲しいとお願いするわけですから、あなた自身も真摯に対応しないといけません。
3.家賃交渉が成立しやすい物件とは?
家賃交渉が成立しやすい物件に狙いをつけて交渉するのも1つの手です。
どんな物件が家賃交渉しやすいのでしょうか?
あなたが気に入っている物件が当てはまってるかチェックしてみましょう。
物件1.長い間空き部屋になっている物件
物件2.エリアの相場に対し家賃が高い物件
物件3.設備が周辺物件に劣る物件
物件4.4~6月に空き部屋になっている物件
物件1.長い間空き部屋になっている物件
まず狙い目なのは長い間空き部屋になっている物件です。
長い間空き部屋になっている物件には、なにか問題があります。
例えば日当たりが悪かったり、駅から徒歩20分とやや遠かったりするとなかなか入居者が決まりません。
大家さんとしては、家賃を値下げしても空き部屋よりはマシと考えるはず。
全体的に空き部屋が多い物件も同じ理由で交渉成立しやすいです。
物件2.エリアの相場に対し家賃が高い物件
先ほどもお話したように、エリアの相場に対し家賃が高い物件も交渉の余地があります。
なぜなら比較的高額の物件には入居しづらいため、大家さんが空き部屋に困っている可能性が高いからです。
仲介業者の方に話を聞き、エリアの相場・周りの同じ間取りがどの程度の家賃なのかしっかりリサーチしていきましょう。
築年数が比較的古い場合は、家賃の価格を新築時のままにしている場合もあるので、エリアの相場と共に築年数もチェックすると良いですね。
物件3.設備が劣る物件
周辺物件に比べて設備が劣る物件も、家賃交渉が成功しやすい傾向にあります。
設備が劣っている分かりやすい例としては、以下のようなものがあります。
- エレベーターがなく階段しかない
- 宅配ボックスがついていない
- お風呂とトイレが一緒になっている
- オートロックが付いていなく防犯面で不安がある
これらの場合は交渉しやすくなります。
ただし地域柄もあるため、周りの物件と設備を比較し明らかに劣っていると思った場合にのみ有効な手段です。
物件4.4~6月に空き部屋になっている物件
4~6月に空き部屋になっている物件も家賃交渉には狙い目の部屋になります。
というのも進学や転勤などの場合3月中に引っ越しを終える場合が多いですよね。
4月~6月に空き部屋ということは、進学や転勤する方の目に留まらなかった物件と言えます。
もちろん全員が全員4月から転勤というわけではないのですが、下手をするとそこから1年空き部屋になってしまう可能性があります。
大家さんとしては1年間空き部屋は避けたいところ。
家賃を値下げしてでも入居したい人が現れるのは願ったり叶ったりなのです。
4.こんな場合は家賃交渉が難しいかも…
逆に家賃交渉が難しい物件も存在します。
次の条件に当てはまる物件は、交渉しても失敗に終わるかもしれません。
ただダメ元でも交渉するのは自由です。
挑戦してみて安くなればラッキーなので、検討してみてください。
条件1.新築
条件2.人気物件
条件3.1~3月または8~10月に入居を考える場合
条件1.新築
家賃交渉が難しい例としてまず考えられるのは、新築の物件です。
新築というのは工事完了から1年以内で、なおかつ誰も入居したことが無い住宅のことを指します。
1年以内で誰も入居したことがないとなれば、もちろん壁や床に傷などはありませんし、設備も整っていることが多く人気の物件です。
家賃を下げなくても、新築というだけで価値があるので大家さんも値下げは考えていない場合が多いでしょう。
条件2.人気物件
また人気物件も家賃交渉が難しいです。
人気物件の例として以下の物件が挙げられます。
- デザインにこだわりがある
- オシャレなデザイナーズマンション
- 駅近など交通のアクセスに便利な立地
また近くに大学があって、黙っていても入居希望者が殺到するような物件も人気物件と言えるでしょう。
これらの物件は放置していても入居者が集まるため、家賃交渉が難しいです。
条件3.1~3月または8~10月に入居を考える場合
1~3月または8~10月に入居を考える場合も、家賃交渉は難しいと考えておいた方が無難です。
1~3月という時期は転勤や進学により入居希望者が多い季節なので、わざわざ家賃を値下げしなくても、他の希望者が現れる可能性が高くなります。
8~10月も同じ転勤シーズンになるので、同じ理由で家賃交渉に応えてくれる可能性は低いと言えるでしょう。
まとめ
家賃相場や成功確率・交渉成功へのコツ、交渉しやすい物件や難しい物件まで様々な角度から家賃交渉を見てみましたが、実際家賃交渉をするイメージが沸いたでしょうか?
以下は今回の記事のまとめです。
- 家賃交渉は積極的に行おう
- 家賃の3%が値下げの相場
- 家賃交渉はタイミングとリサーチが重要
予算内で気に入る物件が見つかるのがベストではありますが、予算オーバーしてしまった際は交渉テクニックや交渉成立しやすい物件を選んでみてくださいね。
うまく交渉して素敵な新生活を迎えましょう。