片付けられないのは発達障害?病気?セルフチェックで自己診断

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「片付けられない」「いつでもキレイな部屋を保ちたい」とお悩みではありませんか?

自分の部屋や家の中が常に散らかっている状態から抜け出せず、清潔で整理整頓された空間を維持したいと感じている方も多いでしょう。

この場合、発達障害や特定の病気が原因であれば、その理解を深めることで徐々に改善策を見出すことができるものです。

そこで、この記事では、具体的な自己診断方法と有効な対処法を解説します。

「片付けられない」「すぐに改善したい」という方に役立つ記事となっているため、ぜひ最後までご一読ください。

1.片付けられないのは障害・病気が関係している?

片付けられないのは障害・病気が関係しているかは、ケースバイケースです。

片付けられないという問題は、発達障害、特にADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム障害、かつてはアスペルガー症候群とも)によって生じることがあります。

ADHDでは、片付けに必要な実行機能(計画立てや先を見通す能力)が弱いため、物が散らかりがちです。

一方、ASDの方は強いこだわりやルーティンへの偏愛が、片付けを困難にする可能性があります。

しかしながら、片付けられないという問題が発達障害だけでなく、病気と関連していることもあります。

統合失調症や強迫性貯蔵症(ホーディング)、うつ病、認知症、セルフネグレクトなどは生活空間を整理整頓することのハードルを上げる要因になります。

例えば、統合失調症による妄想や幻覚、うつ病による抑うつ状態、認知症に起因する物忘れはすべて、「片付けられない」という状況を引き起こす可能性があります。

ただ、あくまでもこれらは片付けられない原因としての可能性の1つであり、決めつけてはなりません。

片付けが困難な状況は1人ひとりで原因が異なり、その背後には多様な理由が潜んでいることも多いです。

発達障害とは?

発達障害とは、脳の発達に影響があることで、社会性、コミュニケーション能力、固定観念などへのこだわり、注意力の制御や活動レベルの調整に関係する広範な症状を特徴として持つ障害です。

これらは脳の構造や機能の個性として現れ、生まれながらに備わった特性であり、必ずしも病気とは限りません。

発達障害には、多くの種類が存在し、その中でもよく知られているのはADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム障害)があります。

片付けられない人が発達障害である場合、それは主に発達障害において見られる実行機能(計画立てや行動の開始・継続、タスクの完了に必要な脳の管理機能)の課題に関連しています。

具体的には、目の前の仕事に集中することが困難であったり、物の整理整頓についての計画を立てることが出来なかったり、はじめた仕事を最後までやり遂げることが難しいなどです。

片付けの作業において著しく影響をおよぼす可能性があり、「片付けられない」という状態を招くことがあります。

2.片付けられない問題を引き起こす発達障害・病気の例7つ

以下、片付けに苦労することが多い発達障害や病気の例を紹介します。

  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • ASD(自閉症スペクトラム障害)
  • 統合失調症
  • ためこみ症
  • うつ病
  • 認知症
  • セルフネグレクト

次に、それぞれの特徴を紹介します。

例1.ADHD(注意欠陥・多動性障害)

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、片付けられない問題を引き起こす障害の1つです。

この障害は主に前頭葉の機能不全によって、集中力、活動性、そして衝動性の制御が困難になることが特徴です。

ADHDの人は遅刻が頻繁で、忘れ物をしやすい傾向があります。

また、得意なことには長時間集中できる一方で、苦手なことに対しては注意が散漫になりやすいです。

日常生活において、効率よく段取りを立てたり、物事の優先順位を決めたりすることが苦手であるため、「片付ける」という行為にも影響が及びます。

具体的には、物を片付けるには一連の計画立てや意思決定が必要であり、それぞれのプロセスがうまく機能しないことで、家の中が散らかった状態になりがちです。

また、物をすぐにどこかに置いてしまう「多動性」が影響して、片付けが以前よりも困難になる可能性があります。

片付けができないことへの対策としては、環境の変更や日々の習慣づけが役立ちます。

例えば、不要な物は即座に捨てる習慣をつけ、物を置く場所を決めてそれを意識することが重要です。

ADHDの人にとって、物事をシンプルに保つことは、日々の管理を簡単にするためのポイントとなります。

最終的には、片付けることが困難であればあるほど、これがADHDに起因することが多い場合は専門家に相談することが推奨されます。

この障害に対する理解や適切な支援があれば、「片付けられない」という問題も改善の道が見えてくるでしょう。

例2.ASD(自閉症スペクトラム障害)

ASD(自閉症スペクトラム障害)は、片付けられない問題を引き起こす可能性があります。

この障害は、社会的コミュニケーションや相互作用に困難をおよぼす特徴があり、限定された興味や繰り返しの行動が特徴的です。

ASDにおける主な症状は、社交的な挑戦や言語の遅れ、非言語的コミュニケーションの難しさ、独特な興味や活動にのめりこむ傾向があります。

片付けられない状況とASDとの関連で言えば、特定の物への異常なこだわりや物を特定の順番で並べたいという強い欲求があるために、不必要なものを捨てられなかったり、物の整頓を一般的な方法で行うのが難しい場合があります。

その結果、ASDを持つ方々は、しばしば片付けられない環境になりがちです。

注意深く注目すべき特徴としては、独自の物の並べ方を好むことが多く、このために彼ら自身以外の人にとっては片付けられていないように見えます。

理由や詳細においては、ASDがある人は感覚過敏(特定の感覚刺激に対して強く反応すること)や特定のルーティンへの強い執着を示すことが知られています。

それぞれの特性が絡み合って片付けに影響を与える場合、ごちゃごちゃとした空間が安心感や安定感をもたらすことがあるため、片付ける行為自体を避ける傾向があります。

片付けが難しいことに対して具体例として挙げられるのは、ものの定位置を決めてもそのルールにこだわりが強すぎるがために、新しいアイテムに対して適切な場所を見つけるのに苦労するケースです。

また、自身のコレクションや興味のあるアイテムにたいして不必要に多くの空間を割いてしまい、結果的に片付けられない状況を生み出すこともあります。

ASDの存在は片付けられない問題に対して十分に考慮すべき要因の1つです。

最終的な結論としては、この障害があることにより片付けられない状況が生じている場合、その人に合わせたサポートが必要であり、理解し寛容な態度を取りながら、組織化や計画立てにおいて彼らを支援する必要があるでしょう。

例3.統合失調症

統合失調症は、現実の認識に困難を経験し、通常とは異なる考え方や感情、行動をする精神疾患(心の病)です。

この病気により、片付けられないという問題を抱える方もいます。

統合失調症の主な症状には幻聴や妄想の陽性症状(存在しないものがあるかの症状)、感情の平板化や意欲の低下などの陰性症状(本来あるべき機能が落ちているような症状)、そして組織化されていない話しぶりや支離滅裂な行動などです。

それぞれの症状がある場合、普段の生活の中で物事を整理したり、様々なタスクを一貫して行ったりするのが難しくなり、結果として片付けられない状態になる可能性があります。

統合失調症の人が片付けられない理由として、彼らの思考が統合されておらず、1つの物事に集中できないため、部屋の片づけといったタスクを完遂できないことなどです。

また、陰性症状による意欲の低下は、片付けなどの日常的な行為への取り組みを妨げる場合があります。

混乱した思考によって、物をどこに置いたかを覚えていることが困難になったり、何をどのように片付けるべきかを決めることができなくなることもあります。

統合失調症の当てはまりやすい特徴として、日常の活動における計画性や継続性が欠けているため、片付けをはじめても途中でやめてしまうことが多いです。

また、疲れやすさや集中力が続かないことから、片付けの一連の行動をするのが一層難しくなります。

具体的なケースを挙げると、部屋を片付けようとしても、目の前の物に関連した妄想に囚われたり、あるいは幻聴が気を散らさせたりして、片付けに必要な連続した行動が取れなくなることがあります。

その結果、部屋は散らかったまま放置されることが多くなり、片付けられない状況が長期間続くことがあります。

片付けられない、そして現実の認識に問題が生じる統合失調症については、適切な医療専門家に相談することが大切です。

しっかりとした診断を受け、症状に合わせた治療やサポートを受けることで、生活の質を向上させることができるでしょう。

また、医療専門家は日常生活での支援策も提案できるため、片付けも含めた生活全般にわたるサポートを受けることが可能です。

例4.ためこみ症

ためこみ症、または強迫性貯蔵症(Hoarding Disorder)は、不必要な物を捨てることが困難で、極端な物の蓄積によって生活空間が使用に耐えなくなる障害です。

主な症状には、物を捨てるのに著しい苦悩を伴い、物を捨てることができずに溜め込むことがあります。

この行動は、家屋内における生活空間が機能を失い、衛生的または安全でない状態になるほどに広がることがあります。

ためこみ症の人が「片付けられない」のは、物質的な所有物に異常な愛着を持つためです。

物に対して感情的な結びつきを感じ、「捨てる」という決断を下すことができないため、片付ける行動が著しく困難になります。

この障害の特徴として、物を捨てることに関連する不安や焦燥感があることから、片付けよりも収納を選ぶ傾向があります。

そのため、「片付けられない」という問題を抱える際には、ためこみ症の可能性も考えられます。

障害の認識と適切なアプローチで、改善に向けた第一歩を踏み出すことができます。

そして、プロによる片付けのサービスを利用することもひとつの有効な手段として検討すべきです。

例5.うつ病

うつ病によって「片付けられない」という状況が生じることもあります。

うつ病は一般に、気分が沈んだり、無気力になったり、集中力が低下したりする等の気分障害の一種です。

それぞれの症状が、日常の活動に対する意欲やエネルギーを著しく減少させ、「片付けられない」という行動につながることがあります。

主な症状には、抑うつ気分や興味・喜びの喪失、疲れやすさ、集中力の減衰、決断困難、食欲・体重の変動、不眠症または過眠症、無価値感や罪悪感、自死念慮や自殺企図などが挙げられます。

これらが長期間続く場合、うつ病を疑うべきです。

「片付けられない」特徴としては、物を片付ける動機やエネルギーが不足しており、小さなタスクでさえも圧倒されてしまうことがあります。

うつ病の人は起床することすら困難に感じたり、日常生活の単純な作業に取り掛かるための力が出ないので、部屋を片付けることはさらに難しいタスクとなります。

例えば、うつ病の方の中には、洗濯をする体力や意欲が起きなかったり、メールや手紙を開封することさえ避けたりする場合もあります。

これにより、洋服がたまり、郵便物が積み上がるなど、部屋は散らかった状態になりがちです。

理由や詳細について考慮すると、うつ病では脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の不均衡が影響しているとされており、これが感情や思考、行動の調節に響いていると考えられています。

そのため、片付けの実行機能を要する活動は、影響を受けやすいものです。

最終的な結論として、「片付けられない」という状態が継続している場合には、うつ病が背景にある可能性があります。

うつ病による「片付けられない」状況は、適切な治療とサポートによって改善が期待できるため、心の不調や変化を感じたらプロの意見を求めることが重要です。

医師や精神保健専門家にアプローチし、症状の軽減および生活の質の向上を図ることで、片付けられるようになることも多く見られます。

例6.認知症

認知症は記憶や理解力の低下等を伴う脳の障害であり、これによって片付けられない問題が生じることがあります。

認知症の人は物の整理や掃除などを行うための認知機能が影響を受けるため、環境を整頓する能力が低下する可能性があります。

具体的には、どこに何を置いたかを忘れてしまったり、物の重要性や価値を判断できなくなることによって、不要な物を溜め込んでしまう場合や、すでにきれいに片付けられた場所を再び散らかしてしまう場合があります。

また、日常生活で必要な物の管理ができなくなることで、生活環境が乱れがちになります。

認知症の主な症状には、記憶障害、判断力の低下、計画立案や実行に問題があるなどがあり、これらが片付けられない原因となることがあります。

また認知症の方は、新しいルーチンや物事への適応が難しくなるため、片付けといった日常的な作業も困難になります。

加えて、物盗られ妄想などの精神症状もある場合、物を隠したり、無用に警戒心を持ったりすることもあり、その結果片付けられない状況につながることがあります。

例7.セルフネグレクト

セルフネグレクトは一般的に自己の健康や衛生を軽視する状態を指します。

この場合、本人は自身の生活空間の片付けられない状態に気づいていないか、対処する意欲が低下してしまうのです。

セルフネグレクトには、物理的な健康問題だけでなく、メンタルヘルスに関連する問題も関連している場合があります。

セルフネグレクトと片付けられない問題の主な症状には、衣服や個人衛生に対する無関心、食料の買い置きや調理への興味喪失、清潔で健康的な住環境を維持することに関しての無関心などが挙げられます。

それぞれの行動は、日常生活における自己管理能力の低下を示しており、治療やサポートが必要な状態かもしれません。

セルフネグレクトには、うつ病や不安障害の精神的な問題が関係していることが多いですが、認知症や身体的な障害によるものであることも考えられます。

もし周囲の方々が片付けられないことに気づいた場合、それにはセルフネグレクトが関連している可能性があるため、注意深くモニタリングして対応する必要があります。

セルフネグレクトと片付けられない状態には、詳細な評価と原因の把握が必要です。

3.チェックリスト:片付けられない状態の自己診断法

不安を感じた場合、以下のチェックリストを参考に、自己診断を行ってみましょう。

  • チェック1.必要なものと不要なものの識別が難しい
  • チェック2.決断を下すことにストレスがある
  • チェック3.慢性的な物の散乱が続いている
  • チェック4.目的に沿った収納ができない
  • チェック5.家でものをよくなくす
  • チェック6.食べかけ・やりかけが多い
  • チェック7.掃除が続かない

次項では、さらに詳しい対処法や整理整頓のコツを紹介しますので、ぜひご覧ください。

チェック1.必要なものと不要なものの識別が難しい

「片付けられない」と感じる際、必要なものと不要なものの識別が難しいというのは1つの典型的な特徴です。

これが「なぜ」難しいかを考えると、1つには物に対する感情的な執着があるかもしれません。

感情的な価値が物質的な価値を上回ってしまうため、捨てるべき物が見極めにくくなります。

また、失敗や後悔を恐れることも選別を難しくさせます。

不要な物を間違って捨ててしまった場合の「もしも」を考え、決断を下せなくなるわけです。

具体例を挙げると、例えば、昔のイベントのチケットや思い出深いグッズを手放せない、使っていない古い衣類やガジェットを「いつか使うかもしれない」と思いとっておくなどがあります。

それぞれの物は必要ないにもかかわらず、なんらかの意味を持たせてしまい、捨てることを難しくしているものです。

チェック2.決断を下すことにストレスがある

決断を下すことにストレスがある状況は片付けられない原因の1つとして挙げられます。

片付けの際、どのアイテムを保持し、どれを処分するか決めることが必須ですが、その選択が極端に困難である場合、発達障害や病気の可能性があると考えられます。

具体的には、注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)、うつ病、強迫性貯蔵症(ホーディング)などの可能性が指摘されています。

なぜ決断を下すことにストレスを感じるのか、という点については、決定を迫られる状況が焦りや不安を引き起こし、それに対する耐性も低いことが一因となっています。

また、「捨てた後に必要になるかもしれない」という不安感も捨てるに至らない要因です。

チェック3.慢性的な物の散乱が続いている

慢性的な物の散乱が続いている状態も、片付けられない問題の1つです。

部屋や作業スペースが長期間にわたり不用意に物で溢れている場合、それはただの片付けの問題ではなく、根本的な実行機能(決断を下す力や物事を終える力、整理整頓の技能)の問題であるかもしれません。

慢性的に片付けられない状態は、特に注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)、うつ病、認知症など多様な病状と関連していることが指摘されています。

例えばADHDを持つ人の場合、物を適切な場所に戻すという単純なタスクでさえ、注意が散漫になりがちで、最終的に物が行き場を失って散乱してしまう可能性があります。

チェック4.目的に沿った収納ができない

目的に沿った収納ができない状態は、収納スペースがあるにもかかわらず、それを適切に活用できずに物が散乱してしまっている状況を指します。

物の種類を識別し、それぞれの物に適した場所を割り当てるという実行機能(日常生活での複雑な課題を計画し、組織し、行動に移すための脳の機能)に課題がある場合に起こりやすいです。

具体例としては、衣服をクローゼットにしまうべきなのに、いつもソファの上に置いてしまったり、文房具がデスクの引き出しにあるはずなのに、家の至る所に散らばってしまっていたりすることが挙げられます。

この状態であると、家が片付けられない理由として部屋の物が場当たり的に置かれ、結果的に使いたい時にそれが見つけられないといった問題につながります。

チェック5.家でものをよくなくす

家で物をよくなくす状況は、片付けが苦手な人にしばしば見られる問題です。

特にADHD(注意欠如・多動症)の発達障害を持つ方々にとっては、不注意や実行機能の弱さ(行動を計画し、指示に従い、タスクを完了させる能力)によって、物を定期的に失くしてしまうことがあります。

具体例として、ポイントや財布などの日常的に使う重要な物を置いた場所を忘れ、その都度探さなければならないといったケースが該当します。

家でものをよくなくす経験は、発達障害や病気に限らずよく起きる例です。

チェック6.食べかけ・やりかけが多い

「食べかけ・やりかけの物が多い」ということも、片付けられない状況の一因となることがあります。

このパターンは、特にADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害の特性を持つ方に見られることがあります。

ADHDの特性には、不注意や多動性、衝動性があり、このため片付けなど1つの作業に集中し続けることが難しいことがあります。

また、過集中の状態で1つのことに夢中になりやすいことも関係しているかもしれません。

例として、食事の途中でテレビやスマートフォンの通知等、外部の刺激に注意をそらされ、結果として食べかけのまま忘れてしまう、といった状況が考えられます。

同様に、やりかけのプロジェクトが多い場合には、その瞬間の動機付けが失われたり、別の興味深い活動に気を取られたりすることで、元のタスクから離れてしまいがちです。

チェック7.掃除が続かない

掃除が続かない状態は、片付けられない問題の一例であり、これが習慣となると片付けや掃除を開始してもすぐに辞めてしまうことを意味します。

掃除を続けられない原因には、注意力の散漫、動機づけの不足、あるいは作業中の挫折感が関係している可能性があります。

例えば、ADHD(注意欠如・多動性障害)を有する方々は、掃除をはじめたものの、すぐに他のことに気を取られたり、計画を実行するのに苦労したりすることがよくあります。

掃除をはじめてもすぐに辞めてしまい、部屋が片付かない場合、何から手をつけて良いか分からずに圧倒されることもあります。

また、体調の悪さや日々のストレスなど、心理的要因による影響も考えられます。

うつ病や不安障害などの病気でもやる気が出ない、集中できないなどの症状が現れることから、掃除を続けることが難しくなります。

4.片付けられないときにできる5つの対処法

片付けられないという問題は誰にでも起こり得ることです。

以下の対処法を参考にして、清潔で快適な生活環境を手に入れましょう。

  • 物を減らす
  • ものの定位置を決める
  • 不要なものは捨てる
  • 診断を受ける
  • 相談する

それぞれ解説します。

対処法1.ものを減らす

片付けられない問題に対応する第一の手段として「ものを減らす」ことが効果的です。

この方法では、身の回りにある物の数量を意識的に減らし、片付けが簡単になるよう環境を整えます。

以下に具体的なステップを紹介しましょう。

  1. 必要性の再評価:まず、手持ちのアイテムを見直し、本当に必要なものだけを残すようにしましょう。一年間使用していないアイテムは、不要なものと見なして良いでしょう。
  2. 処分の実践:処分するものを決めたら、リサイクルや寄付など、環境に優しく責任を持って処分します。
  3. 購入ルールの設定:新しいものを購入する際は、古いものを1つ捨てるなどのルールを設定して、物の総量を増やさないよう自分自身にルールを課しましょう。
  4. 購買行動の制限:買い物に行く際は、必要最低限のお金だけ携帯し、計画的に購入することで衝動買いを防ぎます。
  5. 買い与えない実践:子どもへの物の買い与え方を制限することも大切です。

不必要なものを買ってしまうことが片付けられない問題を招くため、物を減らすためには「買い与えない、ものを増やさない」という方針も助けになります。

それぞれのステップは、片付けられない状態から脱するための基礎となります。

物を減らすことで、日々の片付けがグッと簡単になり、清潔で整った住環境を保つことができます。

重要なのは、それぞれの工程を1つひとつ落ち着いて実行し、障害ではないにしても、生活の質を高めるために継続して努力することです。

最終的には、物を減らすことで、片付けられないという問題を改善し、より快適な生活を手に入れることができるでしょう。

対処法2.ものの定位置を決める

ものの定位置を決めることは、片付けられない問題の解決に非常に効果的です。

物が散らかる主な理由の1つは、各アイテムに適切な場所がないことです。

定位置を設定することで、所定の場所への戻しやすさが向上し、結果的に散乱を抑えることができます。

  1. まず、部屋を一通り見渡して、日常的に使用するアイテムをリストアップします。
  2. 次に、それらのアイテムが属するべき自然な場所を考えます。例えば、ポイントは玄関の近く、書類はオフィススペースやファイルキャビネットに。
  3. 使った後は必ずその定位置に戻す習慣を付けることが大切です。これを徹底することで、物が雑然と散らからないようにできます。
  4. 同居している家族にも、定位置の存在とその大切さを共有し、協力を求めます。

心理的な側面では、アイテムを定位置に戻すことで成就感を得られ、これが片付ける習慣を育てる良いサイクルを作り出します。

また、片付けられないことが障害に関連しているのではないかと悩んでいた場合でも、この習慣が自己管理能力を高めることにつながります。

最終的な結論としては、ものの定位置を決めることで、物を探す時間が減り、片付けられない状態を効果的に改善できます。

日々の習慣化により、物の散乱を防ぎ、障害があるかどうかに関わらず、整理整頓された環境を維持できるようになるでしょう。

対処法3.不要なものは捨てる

片付けられないと感じる際に実践できる有効な対処法として、不要なものは捨てることが挙げられます。

このアプローチは、余計な物の数を減らし、結果的に整理整頓をしやすくすることに役立ちます。

必要とされないアイテムは家の中でスペースをとるだけでなく、片付け作業の際の精神的な負担も引き起こすからです。

そのため、不要なものを捨てる具体的な方法を実践しましょう。

  1. まず、使用していない物や1年以上利用していない物を特定します。
  2. 次に、それらを「捨てる」「寄付する」「売る」の3つのカテゴリーにわけます。
  3. 分類した後、捨てる物はすぐに処分しましょう。寄付や売ることができる物は、適切な手続きを踏んで他者に譲ります。
  4. 物の新しい購入を検討する際は、本当に必要かをじっくり考え、不要な追加購入を避けます。

それぞれのステップで余分な物を部屋から取り除くことで、整理整頓がしやすくなり、片付けへのハードルを下げることができます。

対処法4.診断を受ける

診断を受けることは、片付けられない場合に考えられる対処法です。

これは様々な理由に基づきますが、特に、片付けられないことが慢性的である場合や、自己の努力に関わらず改善されない時に適切です。

なぜ診断が重要かというと、障害の存在を確認し、障害に対する専門的なアプローチを得るためです。

例えば、ADHD(注意欠如・多動性障害)は大人にも影響を及ぼし、片付けが困難な一因となっているかもしれません。

この障害は、不注意や多動・衝動性といった特性が挙げられ、これらが片付けを困難にする原因であることがあります。

診断を受けることで、個々の状況に適したサポートを受けられるため、片付け能力を高めることが可能です。

診断のプロセスでは、まず臨床心理士や精神科医に相談し、現状を伝えます。

適切な診断テストや面談を通じて、専門家は障害の有無を評価します。

評価結果に基づいて、専門家は個人に合った対応計画を提案するでしょう。

例えば、ADHDの場合は認知行動療法やコーチング、薬物療法などが選択肢となりえます。

片付けられないことに対しては、心理的な障壁を乗り越えていくことが大切です。

このために、専門家の診断を受けることをおすすめします。

診断により、根本的な問題に対してより適切な支援を受け、片付けられないという問題を改善するための第一歩が踏み出せるでしょう。

最終的な結論として、片付けられないことが障害に起因する可能性を考慮し、専門家による診断を受けるべきです。

これにより、より効果的な対策とサポートを受けることができるでしょう。

対処法5.専門家に相談する

片付けられない問題を解決するにあたって、専門家と相談することは非常に有効です。

相談を行う主な理由は、障害や特有の症状といった根本原因を明確にし、専門的なアドバイスや個別の解決策を得ることができる点にあります。

具体的には、心理的な困難や精神的な疾患が片付けられない背後にある場合もあるため、対象となる問題をより深く理解し、効果的に対処する手助けを受けることが可能です。

詳細な方法としては、まず片付けられないことを障害ではないかと疑ったあなたが、臨床心理士や精神科医、作業療法士などの専門家に相談を行うことです。

それぞれの専門家は、発達障害・精神疾患(例えば、ADHDや自閉スペクトラム症(ASD))、さらにはホーディング障害など様々な病状の知識を持ち、適切な診断や治療を提供してくれます。

また、問題が深刻で自分一人では片づけられないことが分かった場合、片付けコンサルタントや片付け業者への相談が役立ちます。

業者はプロの片付けサービスを提供し、手伝いだけでなく、家を綺麗に保つための実践的なアドバイスやテクニックも伝授してくれる可能性があります。

このように、専門家への相談によって次のサポートを受けることができます

  • 精神的あるいは心理的なサポート(例:問題を共有し、障害に対する理解を深める)
  • 実践的な片づけのアイデアや片づけ続行のモチベーションの向上
  • 長期的な解決策(例:習慣化の助け、定期的な清掃のスケジュール立て)
  • 必要な場合、治療やカウンセリングなどの紹介

網羅的に話すと、片付けられない状況を改善するためには、専門家に相談することで得られる知識や支援が非常に重要な役割を果たします。

専門家が提供するカウンセリング、治療法、実践的な助言は、障害や疾患が原因で片付けも困難である場合に特に効果的です。

これにより、あなたは片付け問題に対処するための具体的かつ個別化されたプランを作成し、実行に移すことができるでしょう。

5.片付けられないのが障害である場合の相談先5選

以下に、片付けられないのが障害である場合に相談が可能な5つの専門家のリストをまとめました。

  • 相談先1.臨床心理士
  • 相談先2.精神科医
  • 相談先3.作業療法士
  • 相談先4.片付けコンサルタント
  • 相談先5.片付け業者

それぞれ解説します。

相談先1.臨床心理士

臨床心理士は、片付けられないことが心理的な問題や障害によるものであるかどうかを評価し、カウンセリングを通して個々に合わせたアドバイスやサポートを提供する専門家です。

個人の心理状況に応じた支援を受けることができるため、片付けの問題が日常生活や精神的な健康に影響を及ぼしている場合には特におすすめです。

臨床心理士に相談することでできることは以下のとおりです。

  • 片付けの課題や困難についての深い理解と評価
  • 障害の有無の判定(ADHDなどの発達障害の診断を含む)
  • 障害が原因の場合、適切な治療法や対処法のアドバイス
  • 心理療法や行動療法を通じた心理的サポート
  • 必要があれば、他の医療機関への紹介

相談先として臨床心理士がおすすめな人は以下のとおりです。

  • 自分自身で片付けられない原因を理解したい方
  • 長期間にわたり片付けができず、日常生活に支障をきたしている方
  • 片付けの問題が他の心理的な課題や障害に関連していると感じている方

最終的には、片付けられない状態が気になる場合、臨床心理士はその背後にある心理的な問題や障害を探るのに適した専門家であり、「指定なし」で自分の状態に合ったサポートを受けることができます。

相談先2.精神科医

精神科医は、片付けられない問題が心の健康に関連している可能性がある場合に相談できる専門家です。

この分野の医師は、心理的な要因だけでなく、必要であれば薬物療法を含む治療法を提供できるため、「片付けられない」という状況が精神的障害によるものかどうかを判断し、適切な対処を行います。

例えば、うつ病や不安障害が原因で日常生活の活動も困難になっている場合、精神科医はそれらを診断し、治療できます。

精神科医は特に、「片付けられない」状態によって日常生活に悪影響が出ている場合や、他の対処法で改善が見られないときにおすすめです。

また、発達障害(ADHDやASD)の疑いがある場合は、精神科医が専門的な知見を持ちますので、特にそのケースでの相談は有効です。

精神科医に相談する際には身近なクリニックや病院を探し、受診が推奨されます。

本田秀夫医師の経験豊富な専門家が在籍している医療機関を選ぶことで、専門的かつきめ細かい対応を期待できます。

最終的に、「片付けられない」が心の健康に関連する問題であるかもしれないと懸念している場合には、精神科医に相談することを検討してください。

患者さんの状況を正確に評価し、適切な治療やサポートを行うことができる専門家です。

相談先3.作業療法士

片付けができないことが、発達障害やその他の心の障害、または病気に関連しているかもしれない場合、作業療法士は効果的な相談先の1つです。

作業療法士は、方々が日常生活の中での活動(オキュペーション:職業だけでなく、日々の行為全般を指します)を最大限に行えるように支援する専門家であり、認知機能、身体機能、精神社会的機能に関する障害への対応に豊富な知識とスキルを持っています。

、具体的な目標を設定して個々のニーズに応じた計画を立てることで、片付けられない人がより組織的で効率的な方法を見つける手助けをします。

例えば、AD(H)DやASDなど発達障害の特性に合わせた片付け方法を一緒に考えたり、うつ病や認知症などの病気で苦労している人には、物理的な環境を整えることによる治療の支援を行います。

また、セルフネグレクトの状態で、個人の生活機能が低下している場合にも、作業療法士は有益なアプローチを提供できるでしょう。

作業療法士に相談することは、片付けられないことが精神的な問題や障害によるものであると考えられる際に特におすすめです。

しばしば医療機関や福祉施設に所属しており、また個人で開業している場合もあります。

相談は指定された機関やプライベートクリニックで受け付けられ、訪問リハビリテーションの形で自宅への訪問サービスを提供することもあります。

相談先4.片付けコンサルタント

片付けコンサルタントは、片付けられない問題を解決するための専門的な知識と技術を持つプロです。

特に発達障害や精神的な障害が原因で片付けも難しい場合、個々の状況に合わせたアドバイスや支援を提供できます。

片付けコンサルタントは、整理収納の方法を教え、効率的な片付けのテクニックを伝えるとともに、家の中を整理して生活しやすい環境を作るお手伝いをします。

片付けコンサルタントは、以下のサービスを提供することが一般的です。

  • 整理収納術の指導
  • 個人の嗜好とニーズに合わせた片付けプランの作成
  • 片付けにおける実践的なアドバイス
  • 発達障害や精神障害に関する知識を基にしたパーソナライズされたサポート

片付けが障害によって特に難しい場合、家族がどのように支援できるかのアドバイスや、具体的な片付けの手順の説明など、心理的な側面を考慮した支援も期待できます。

片付けコンサルタントのサービスを利用することは、片付けられないという問題に対して組織的かつ実践的な解決策を得たい時、また障害による片付けの困難を理解しサポートがほしい時に特におすすめです。

最終的な結論として、片付けコンサルタントは片付けられないという悩みに対してプロの視点から具体的な改善策を提案し、実行に移すための支援を行います。

発達障害などの障害がある場合も、その特性に合わせた適切な方法を導き出してくれるでしょう。

指定なしで多岐にわたるサポートを求める場合に、片付けコンサルタントの知識と経験は大いに役立つはずです。

相談先5.片付け業者

片付け業者は、部屋の片付けに困難を抱えている方々、特に片付けられない状態が障害によるものであると思われる場合に、実践的な援助を提供するサービスです。

片付け業者は不用品の分別や回収、ハウスクリーニング、整理整頓、ゴミ屋敷の清掃、遺品整理などの具体的な作業を行い、住環境の改善をサポートします。

片付け業者のサービスは、特に以下の方々におすすめです。

  • 自分で片付けることが困難で、実務的なサポートが必要な人
  • ADHDやASDなどの発達障害の可能性があり、片付けが特に難しいと感じる人
  • うつ病や認知症をはじめとする病気で、日常生活の一部としての整理整頓が困難な人
  • セルフネグレクトの状態であり、自らの生活環境を改善することが難しい人
  • プライバシーを保護しながら片付けを実施したい人

最終的な結論として、片付けられない状態が障害によるものかどうか疑問を持っている場合、医療や福祉の視点からアプローチしてくれる業者を選ぶことが大切です。

6.おすすめの片付け業者はブルークリーン

ブルークリーン生活空間の整理整頓は、心地よい毎日を送る上で非常に重要です。

しかし、障害や病気が原因で片付けも難しいとき、専門の片付け業者に依頼することが適切な解決策となります。

この際におすすめしたいのが、ブルークリーンです。

丁寧かつ迅速な対応で、様々な片付けのニーズに応えてくれるサービスを提供しています。

ブルークリーンが提供するサービス内容と特長は以下のとおりです。

  • 無料相談:365日24時間対応し、状況に応じたアドバイスを提供
  • スピード見積もり:電話連絡後、最短10分で見積もり
  • 特殊清掃の実績:多くのケースに対応した経験あり
  • 受付時間:[9:00〜19:00]
  • 連絡先:0120-552-052

それぞれのサービスは、特に障害や精神疾患などにより自らの環境を整えることが難しい方にとって、大きな助けとなるでしょう。

また、ブルークリーンのWebサイトには、特殊清掃に関連する様々な「悩み」をわかりやすく解説しているコンテンツもあります。

お部屋の状況や個々人の状態に配慮したオーダーメイドの提案に強いブルークリーンは、整理が困難な方々にとって、清掃から片付けまでサポートする心強いパートナーです。

ぜひ一度、無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

専門的な面談を通じて、片付けや生活環境の改善に向けて、第一歩を踏み出すお手伝いをしてくれるはずです。

まとめ

片付けることが苦手な人は少なくありませんが、その中には障害によって片付けが困難なケースも存在します。

片付けられない場合の対処法として、物の整理、定位置の設定、不要物の適切な処分、専門家による診断、そして相談が挙げられます。

もし片付けられない状態が障害に起因するものであれば、臨床心理士や精神科医、作業療法士、片付けコンサルタント、専門業者などへ相談することが推奨されています。

中でも、片付け業者「ブルークリーン」はおすすめの業者です。

片付けに関する悩みは人により異なりますが、片づけられない状態から脱却するための第一歩になることを願っています。

もし、片付けが難しいと感じるならば、チェックリストで自分の状態を見つめ直し、対処法を試してみましょう。

そして、障害によるものと考えられる場合は、早めにプロの相談先を探して、支援を受けることが大切です。

身の回りがすっきりとすることで、心も軽やかになるはずです。